2010年8月13日に長野県奈川でゴマシジミを観察した後、帰り道で乗鞍高原に寄ってみることにしました。
これまで特段行ったことの無い場所で、どういった蝶が生息しているかは事前にはよくわからない状態で行ってみましたが、結果としてカラスシジミやアカセセリ、ウラゴマダラシジミ等の多くの蝶を観察することができました。
ウラゴマダラシジミ
ウラゴマダラシジミは平地性ゼフィルスの1種で、関東地方でも見ることができる蝶です。関東の平地では5月末ごろから6月にかけて観察できる蝶で、8月は観察することができません。
今回観察できたのは8月13日で、乗鞍高原は高原ということもあり発生時期が平地とかなり違うことがわかりました。
カラスシジミ
カラスシジミは特段珍しい蝶ではないのですが、これまで見る機会がなかった蝶です。この日カラスシジミを初めて観察しました。
カラスシジミも上のウラゴマダラシジミと同様に、東京近郊では6月頃に観察できる蝶なので、8月に観察ができるとは思っていませんでした。高原は気温が低いため平地と比較して全体的に発生が遅くなる傾向があります。
今回は訪花するカラスシジミを観察することができました。
エルタテハ
エルタテハはヒオドシチョウとよく似た蝶ですが、ヒオドシチョウと比べるとみる機会が少ない蝶です。乗鞍高原に来ると、平地ではなかなか見られない蝶を多く観察することができます。
翅の裏は非常に地味な色で、枯葉のような模様をしていますが、翅を広げると綺麗なオレンジ色と黒の紋の模様があります。今回は翅を開いてくれなかったため、翅の裏側のみしか撮影できませんでした。
エルタテハは8月頃に発生して、そのまま越冬し翌年の春ごろにまた見られます。この個体は時期的にも今年度発生した個体であると想定されます。
ヒョウモンチョウ
環境省レッドリスト2020では、ヒョウモンチョウ本州中部亜種は絶滅危惧II類(VU)に分類されていて、「絶滅の危険が増大している種」とされています。
このようにヒョウモンチョウは普段はなかなか見る機会の少ない蝶です。ですが、ここ乗鞍高原に来ると、こういった珍しい蝶も観察することができます。短い時間での観察ではありましたが、珍しい多くの蝶を観察することができ、大満足の1日となりました。
アカセセリ
アカセセリは目立たない蝶ですが、環境省レッドリスト2020で絶滅危惧IB類(EN)に分類されていて、「ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの」とされています。
私はこれまで見る機会がなかったので、この日初めてアカセセリを観察することができました。最初はイチモンジセセリやチャバネセセリだと思いましたが、よく見てみるとアカセセリで驚きました。
まとめ
2010年8月13日に乗鞍高原では以下の蝶を観察することができました。
- ウラゴマダラシジミ
- カラスシジミ
- エルタテハ
- ヒョウモンチョウ
- アカタテハ
この日は長野県奈川にゴマシジミを観察しに行った帰りに、乗鞍高原に行ってみましたが、この様に非常に多くの珍しい蝶を観察できて大満足の1日となりました。これらの蝶に興味のある方は是非乗鞍高原を訪れてみて下さい。
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