2022年はあまり蝶の観察に行く時間が作れなかった1年で、遠出したのは7月と8月にそれぞれ1回ずつでした。
7月は山梨県の韮崎市と富士山周辺に行き、オオムラサキやホシチャバネセセリ、ミヤカマラスシジミなどを観察しました。予想外だったのは、韮崎市でクロヒカゲモドキを観察したことです。クロヒカゲモドキは過去に1度観察したことがあったのですが、写真で撮影できたのは今回が初でした。
8月には福島県の川俣町に行きました。目的は明確で、ムモンアカシジミを観察することです。ムモンアカシジミは川俣町に多く生息するという事前情報を得ていましたが、具体的にどこに生息しているかはよくわかりませんでした。山地を歩いていると、1頭のムモンアカシジミと出会うことができました。
この記事では、7月の山梨県、8月の福島県で観察した蝶を紹介します。
7月17日:山梨県韮崎市
山梨県韮崎市はオオムラサキが多く生息する場所です。これまでも何度かこの場所にオオムラサキを見るために行っていますが、この日もオオムラサキを観察しに出掛けました。
オオムラサキ
従来通り、樹液に来るオオムラサキを何頭か観察できました。20年程前にこの場所で乱舞するオオムラサキを観察しており、その時と比べると明らかに数を減らしていますが、まだまだ元気なオオムラサキを観察することができます。
クロヒカゲモドキ
この日の最大のサプライズはクロヒカゲモドキを観察したことです。クロヒカゲモドキは全国的に減少が著しく、今ではほとんど見ることができない蝶です。短い時間ではありましたが、樹液に来るクロヒカゲモドキを観察できました。
クロコノマチョウ
クロコノマチョウにも出会えました。クロコノマチョウは珍しい蝶ではありませんが、どこでも出会えるわけではありません。この日、久しぶりに観察できました。
7月17日:山梨県の富士山周辺
韮崎市でチョウを観察した後、富士山周辺に場所を移動しました。富士山は山頂付近にはほとんど蝶はいませんが、山麓は独特の環境が維持されており、草原性の珍しい蝶を観察することができます。
ミヤマカラスシジミ
ミヤマカラスシジミは最もよく見られる蝶の1つです。この日も多くの個体を観察できました。
キマダラモドキ
キマダラモドキも観察できました。飛ぶのが比較的早く、すぐに木の陰に隠れてしまいますので、撮影には苦労しました。何とか1枚撮影することができました。
ホシチャバネセセリ
ホシチャバネセセリは全国的に減少が著しく、今ではほとんど見ることができなくなってしまいました。富士山の山麓では比較的安定して観察することができます。
8月16日:福島県川俣町
川俣町にムモンアカシジミが生息していることは知っていましたが、具体的にどこに生息しているかはよくわかっていませんでした。午前10時頃に現地に到着し、山地を歩くことにしました。環境は下の写真のような場所です。
こういった場所を歩いていると、散策を初めて30分程度でムモンアカシジミを1頭観察しました。
ムモンアカシジミ
林道の少し日が当たる場所を飛び回るムモンアカシジミを見つけました。ムモンアカシジミは、他のゼフィルスと比べて発生が少し遅いため、これまで観察する機会がありませんでした。この日、初めてムモンアカシジミを観察することができました。
2022年の蝶の観察の総括
2022年は、クロヒカゲモドキとムモンアカシジミの2種類を初めて観察できました。特にムモンアカシジミは、これまで探してはいたものの、なかなか出会うことができなかった蝶でしたので、初めて見つけた時は非常に嬉しかったのを覚えています。
1年を通して蝶の観察に行けない日が続きました。次年度はもう少し観察に行けるよう、時間を調整していきたいと考えています。
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