2023年は、日本最難関の1種であるベニモンカラスシジミを観察できた年でした。ベニモンカラスシジミ以外にも、クロミドリシジミを初めて観察できました。初見の蝶はこの2種類だけでしたが、その他にもギフチョウや各種ゼフィルスなど、多くの蝶を観察しました。
この記事では、2023年に観察した蝶を紹介します。
4月10日:神奈川県石砂山のギフチョウ
神奈川県にある石砂山は、南関東で唯一ギフチョウが生き残っている場所です。2015年にこの場所でギフチョウを観察して以来行けていませんでしたが、久しぶりに行ってみることにしました。
この日は晴天だったこともあり、多くのギフチョウを観察できました。登山途中にはギフチョウの卵も観察できました。まだまだこの場所のギフチョウは健在なので、関東にお住いの方は是非訪れてみて下さい。
5月5日:新潟県阿賀町と福島県西会津町のギフチョウ
石砂山に続いて新潟県と福島県にギフチョウを探しに出掛けました。どちらも初めて行く場所なので、出会える保障はありませんでしたが、結果として狙い通りギフチョウを観察できました。時期がやや遅かったため、翅が痛んだ個体が多かった印象です。
5月28日:長野県飯田市
ベニモンカラスシジミを観察するため、長野県飯田市に出掛けました。数年前もベニモンカラスシジミを観察するため長野県に行ったのですが、その時は観察できませんでした。今回はそのリベンジです。ベニモンカラスシジミは日本全国でも極めて局所的にしか生息していない珍蝶です。出会える可能性は低いと思いながらも現地に向かいました。
ベニモンカラスシジミ
午前中から6時間程度歩き回り、もう諦めて帰ろうとした時、黒くてひらひらと飛ぶ見慣れない蝶に出会いました。それがベニモンカラスシジミでした。その直後にももう1頭のベニモンカラスシジミを観察でき、結果として2頭出会うことができました。苦労して探した甲斐がありました。
イシガケチョウ
徐々に分布を北上しているというイシガキチョウ、この日は長野県飯田市で4頭のイシガキチョウを観察しました。なかなか止まらなかったため、良い写真を撮影することはできませんでしたが、イシガキチョウであることはギリギリわかるかと思います。
5月下旬~6月:筑波山周辺
低地に生息するゼフィルスを観察するため、5月下旬から6月にかけて数回、筑波山に出掛けました。筑波山周辺では比較的よくゼフィルスと出会うことができます。結果として、以下で紹介する5種類のゼフィルスに出会えました。中でも、クロミドリシジミは初見だったため、強く印象に残っています。
アカシジミ
ウラナミアカシジミ
クロミドリシジミ
ミドリシジミ
ミズイロオナガシジミ
7月14日:福島県猪苗代町
ほぼ毎年行っている磐梯山に、2023年も行ってきました。狙いはゼフィルスです。磐梯山はゼフィルスの宝庫であり、ゼフィルスの種類・数ともに豊富です。この日は天気が悪かったのですが、ウラミスジシジミやジョウザンミドリシジミに加えて、この場所では初となるウラクロシジミを観察できました。
ウラクロシジミ
ウラミスジシジミ
ジョウザンミドリシジミ
8月5~6日:長野県と山梨県
蝶の最盛期が過ぎつつある8月上旬に、長野県と山梨県に行ってきました。最大の目的は、松本市で観察できるオオゴマシジミとゴマシジミです。オオゴマシジミの観察に行くのは2021年以来2年ぶりです。個体数は多くないものの、オオゴマシジミを無事に観察することができました。その他に観察した蝶も紹介します。
オオゴマシジミ
ゴマシジミ
クロツバメシジミ
ミヤマシジミ
オオムラサキ
求愛行動をとるオオムラサキを観察しました。上の紫色の個体がオス、下の黒い個体がメスです。向かい合って求愛行動をとっていました。
ミヤマカラスシジミ
ホシチャバネセセリ
ホシチャバネセセリは全国的に著しく減少しており、現在ではほとんど見られない蝶となってしまいました。富士河口湖町にはまだまだ生息しています。昨年に引き続き、今年も観察することができました。
キマダラモドキ
2023年の蝶の観察の総括
2023年で最も印象に残ったのはベニモンカラスシジミです。まさかこの蝶に出会えると思っていなかったため、出会えた時は感動しました。
初見の蝶としてはベニモンカラスシジミとクロミドリシジミの2種類でしたが、その他にも多くのゼフィルスやオオゴマシジミなどの珍しい蝶に出会え、充実した1年となりました。
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