2024年に観察した美しい蝶の総まとめ

蝶の観察記録
こんにちは!Nao(Xアカウント:@fujimidori123)です!

2024年は記録的な猛暑となった1年間でした。その影響かどうかはわかりませんが、いつも観察できる低地でのゼフィルス(アカシジミやミズイロオナガシジミなど)が2024年は全く観察できませんでした。ネットの情報を見ても、少なくとも関東地方では同じような状況だったようです。

一方で、山地に生息するゼフィルスは例年以上だったように感じました。2024年は福島県の磐梯山周辺や、青森県の岩木山周辺に行きましたが、そこでは非常に多くのゼフィルスを観察できました。

この記事では、2024年に観察した蝶を紹介します。

5月2日:長野県白馬村

5月上旬にはギフチョウとヒメギフチョウを観察するため、8年ぶりに白馬村に行きました。白馬村はギフチョウとヒメギフチョウが同時に観察できる混生地です。この日は快晴で、多くの個体が観察できることを期待していました。

ギフチョウ

2024年5月2日長野県白馬村のギフチョウ

8年前は複数頭のギフチョウを観察しましたが、この日は現地に到着して以降、全くギフチョウが見られません。数時間観察を続けて、ようやく1頭のギフチョウを観察できただけでした。時期がずれているわけではありませんし、天気も快晴であったため、なぜこれほど姿が見られなかったのかは最後まで分かりませんでした。

ヒメギフチョウ

2024年5月2日長野県白馬村のヒメギフチョウ

この日はヒメギフチョウも数が少なく、2頭観察できただけでした。とはいえ、ギフチョウとヒメギフチョウの両種を観察できたため、満足できる1日となりました。

5月25日:長野県扇沢

この日は、まだ見ぬクモマツマキチョウを観察するため、長野県の扇沢に行きました。クモマツマキチョウは午前中から昼過ぎにかけて観察できるという情報を得ていたため、午前9時30分ごろには現地に到着し、クモマツマキチョウを待つことにしました。

クモマツマキチョウ

2024年5月25日長野県大町市のクモマツマキチョウ♀

午前中はどれだけ待ってもクモマツマキチョウが観察できません。ネットでは、2024年は例年に比べて個体数が非常に少ないという情報もありました。この日は快晴で天気は問題なかったのですが、気温が高かったことから、標高の高い場所にクモマツマキチョウが移動してしまった可能性も考えられます。

じっと待っていると、1頭のメスが食草であるハタザオに産卵しに来ているのを観察できました。この日観察できたのはこの1頭だけでしたが、初見ということでとても充実した1日になりました。

キベリタテハ

2024年5月25日長野県大町市のキベリタテハ

扇沢で観察できた蝶は何種類もいますが、その中でキベリタテハを紹介します。キベリタテハは標高が高い場所にのみ生息するタテハチョウ科の蝶で、それほど観察する機会が多くない蝶です。扇沢では複数頭のキベリタテハを観察できました。この時期のキベリタテハは、前年に羽化して越冬した個体なので、傷ついた個体が多いのですが、この個体は比較的綺麗な個体でした。

7月7日:福島県磐梯山周辺

磐梯山は多くのゼフィルスが生息しており、毎年のようにこの時期にゼフィルスの観察に出掛けています。2024年は低地のゼフィルスが壊滅的だったということもあり心配していましたが、結果として8種類のゼフィルスと出会うことができ、大満足な1日となりました。

ジョウザンミドリシジミ

2024年7月7日福島県猪苗代町のジョウザンミドリシジミ♀

ジョウザンミドリシジミは、これまで磐梯山周辺に行ったときには必ず多くの個体を観察できています。今年は低地のゼフィルスが壊滅的であったため心配していましたが、ジョウザンミドリシジミは例年通りの発生数でした。この日は珍しくジョウザンミドリシジミの♀を観察することができました。

エゾミドリシジミ

2024年7月7日福島県猪苗代町のエゾミドリシジミ

エゾミドリシジミもこれまで通り多くの個体を観察できました。いつも通り、午前中にジョウザンミドリシジミが活動していた場所で、午後になるとエゾミドリシジミが活動を始めました。かなり翅がボロボロの個体も見られました。

アイノミドリシジミ

2024年7月7日福島県北塩原村のアイノミドリシジミ

アイノミドリシジミも例年通り多くの個体が観察できましたが、高い場所で占有行動をとるため、いつも撮影に苦労します。

ウスイロオナガシジミ

2024年7月7日福島県猪苗代町のウスイロオナガシジミ

磐梯山周辺でウスイロオナガシジミを観察したのは2016年以来です。15時過ぎから2頭のウスイロオナガシジミを観察できました。

ミズイロオナガシジミ

2024年7月7日福島県猪苗代町のミズイロオナガシジミ

ミズイロオナガシジミは近年観察ができていなかったので心配していましたが、この日は多くのミズイロオナガシジミと出会えました。午前中は全く姿が見えませんでしたが、午後になると林道を飛び回るミズイロオナガシジミが観察できました。

ウラミスジシジミ

2024年7月7日福島県猪苗代町のウラミスジシジミ

ウラミスジシジミは2023年に多く観察できたため、この日も期待していました。結果、この日は午後に2頭のウラミスジシジミを観察できました。

アカシジミ

2024年7月7日福島県猪苗代町のアカシジミ

ゼフィルスの中では全国的に個体数が多いアカシジミですが、今年は低地で壊滅的な状態でしたので心配していました。この日は1頭だけでしたが、美しい姿を観察できました。

ウラナミアカシジミ

2024年7月7日福島県猪苗代町のウラナミアカシジミ

ウラナミアカシジミはこの日は2頭観察できました。

7月14・15日:青森県岩木山周辺とつがる市

2016年以来となる青森県の遠征に出掛けました。青森県の岩木山周辺はゼフィルスの宝庫として知られ、非常に多くのゼフィルスを観察できます。また、つがる市の海岸沿いのカシワ林にはウラジロミドリシジミなどが観察できます。

ジョウザンミドリシジミ

2024年7月15日青森県鰺ヶ沢町のジョウザンミドリシジミ

ジョウザンミドリシジミは岩木山周辺で最も個体数が多いゼフィルスです。2016年同様、この日も午前中に乱舞するジョウザンミドリシジミを観察しました。

メスアカミドリシジミ

2024年7月14日青森県鰺ヶ沢町のメスアカミドリシジミ

2016年は占有行動をとる♂のメスアカミドリシジミが観察できましたが、この日は♀を観察しただけでした。

アイノミドリシジミ

2024年7月15日青森県鰺ヶ沢町のアイノミドリシジミ

ジョウザンミドリシジミと同じ場所・同時刻で占有行動をとるアイノミドリシジミを観察しました。ジョウザンミドリシジミよりは緑色の輝きが強いため、ジョウザンミドリシジミと区別することができます。午前10時頃まで占有行動が続きました。

エゾミドリシジミ

2024年7月14日青森県鰺ヶ沢町のエゾミドリシジミ♂

午後になるとエゾミドリシジミが占有行動を始めます。エゾミドリシジミもジョウザンミドリシジミ同様に個体数が多いです。

ミドリシジミ

2024年7月14日青森県鰺ヶ沢町のミドリシジミ

夕暮れ時(17時頃から)にミドリシジミが活動を始めました。

ウラキンシジミ

2024年7月14日青森県鰺ヶ沢町のウラキンシジミ

夕暮れ時になると、ウラキンシジミも活動を開始しました。複数頭のウラキンシジミを観察できました。

ウラジロミドリシジミ

2024年7月14日青森県つがる市のウラジロミドリシジミ

つがる市の海岸沿いにはカシワ林があり、カシワを食草とするウラジロミドリシジミが多く見られます。ウラジロミドリシジミは夕方に活発に活動する蝶ですが、この日は昼間の観察でしたので、カシワの葉の上でじっとしているウラジロミドリシジミを観察しました。

ハヤシミドリシジミ

2024年7月14日青森県つがる市のハヤシミドリシジミ♂

ハヤシミドリシジミもカシワを食草とするため、カシワ林に生息しています。

8月12日:富士山周辺

2023年に引き続き2024年も富士山周辺の蝶の観察に出掛けました。2024年は猛暑の影響により、例年より蝶の数が少ない印象を受けました。

ミヤマカラスシジミ

2024年8月12日山梨県富士河口湖町のミヤマカラスシジミ

いつもは大量に見られるミヤマカラスシジミも、2024年は数が少なく、2時間ちょっとの滞在で3頭を観察しただけでした。例年は大量に見られるミヤマカラスシジミですが、これ程数が少ないのは初めてでした。来年度以降が心配です。

キマダラモドキ

2024年8月12日山梨県富士河口湖町のキマダラモドキ

キマダラモドキは比較的多く観察できました。真昼間の観察だったため、下草で休憩するキマダラモドキが多く見られました。

ヒメシロチョウ

2024年8月12日山梨県富士吉田市のヒメシロチョウ

久しぶりにヒメシロチョウを観察しました。モンシロチョウと比べて小型で弱々しく飛ぶため、飛翔中もある程度見分けることができます。

2024年の蝶の観察の総括

2024年は初見の蝶としてクモマツマキチョウを観察しました。ただ、今年はメスのみの観察となりましたので、次年度以降にオスも観察したいと考えています。

ゼフィルスは今年は福島県と青森県で13種類観察できました。ウラキンシジミやウラジロミドリシジミなど、久しぶりに観察した種もおり、非常に充実した年となりました。ただし、当初目標としていたヒロオビミドリシジミの観察はできませんでした。ヒロオビミドリシジミは次年度以降、改めて観察の計画を立てる予定です。

その他、ヒメギフチョウも久しぶりの観察であり、全体的に良い1年となりました。

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