このブログでは、よく似た蝶の見分け方を紹介しています。見た目がよく似ている蝶は、初心者の方には(時には上級者でも)見分けるのが難しいです。
例えば、アゲハチョウとキアゲハの見分け方、モンシロチョウとスジグロシロチョウ、モンキチョウの見分け方などは、最初に悩むところだと思います。
また、中級者や上級者になってきても、ゼフィルスの見分け方やサカハチチョウとアカマダラの見分け方、さらにはスジグロシロチョウとヤマトスジグロシロチョウとエゾスジグロシロチョウの見分け方などは簡単ではありません(※ヤマトスジグロシロチョウに関しては、もはや見た目では判別不能です)。
この「よく似た蝶の見分け方」のシリーズでは、こういった蝶をどの様に見分けるのかについて紹介をしていきたいと思います。
その中でも、この記事ではキチョウとモンキチョウの見分け方について紹介をします。
キタキチョウとモンキチョウの違い・見分け方
キタキチョウとモンキチョウはどちらも身近な場所で見られる蝶で、都心部でも普通に見ることができる蝶です。どちらも黄色い翅をしていますので、蝶初心者の人にとっては判別が難しいと思います。以下で具体的に違いを解説します。
見た目の違い・見分け方
見た目の最も大きな違いは、モンキチョウは後翅の裏側に大きな紋があるのに対して、キタキチョウはそれが無いことです。
また、キタキチョウとモンキチョウでは翅の大きさがことなり、キタキチョウよりもモンキチョウが大きいのが特徴です。
キタキチョウとモンキチョウの卵の比較
キタキチョウとモンキチョウの卵の写真を比較します。どちらも長細い形状をしていますが、モンキチョウは綺麗な楕円形であるのに対して、キタキチョウはすぼんだような形をしています。
幼虫の食草(エサ)の違い
キタキチョウとモンキチョウは、幼虫の食草(エサ)も異なります。
モンキチョウはシロツメクサやコマツナギなどのマメ科の植物に卵を産み、幼虫もこれらの植物の葉を食べて成長します
。一方で、キタキチョウはメドハギやミヤギノハギ、ナツハギなどのマメ科の植物に卵を産み、幼虫もこれらの植物の葉を食べます。
分布や生息環境の違い
キタキチョウは本州や九州、四国に生息しています。成虫は一年中観察することができます。成虫で越冬するため、冬でも暖かい日は飛ぶことがあります。生息する環境としては、森林や農地、公園、河川敷などに広く分布しています。
モンキチョウは北海道から沖縄まで全国で観察できる蝶で、成虫は3月から11月頃まで観察することができます。昔は成虫で越冬すると考えられていたため、オツネンチョウ(越年蝶)と呼ばれていましたが、その後の調査で幼虫で越冬することが判明し、現在は基本的にモンキチョウと呼ばれています。生息する環境としては、草原や農地、公園、河川敷などであり、キタキチョウと生息地が重なることも多くあります。
コメント