子供がカブトムシが好きなので飼ってみたいけど、どうやって飼えばいいのかわからない。
そんな疑問に答えるため、この記事ではカブトムシの飼い方・育て方や産卵方法を詳しく解説します。
カブトムシは比較的丈夫で、飼うのは決して難しくありません。必要なモノをしっかりと揃えて、いくつかの留意点を守れば元気に生きてくれます。
カブトムシを育ててみたいと考えている人は、是非この記事を最後までお読みいただき、実践してみて下さい!
カブトムシの成虫の入手方法
カブトムシの成虫を入手する方法は主に以下3つがあります。
- 野生のカブトムシを捕まえる方法
- ホームセンターなどで購入する方法
- 累代飼育する方法
以下では、それぞれについて解説をしていきます。
野生のカブトムシを捕まえる
カブトムシはそれほど珍しい昆虫ではないので、コツを掴めば野生のカブトムシを見つけることは比較的簡単にできます。
カブトムシの成虫は、主に広葉樹の雑木林に生息しており、クヌギやコナラなどの樹液をエサとしています。また、基本的には夜に活動する夜行性の昆虫ですので、昼間に樹液の出ている木を見つけておいて、夜にその場所に行くとカブトムシが見つかる可能性が高まります。
また、カブトムシは夜間に光に集まる習性がありますので、光を放って集める方法(ライトトラップ)もあります。
- カブトムシはクヌギやコナラなどの樹液をエサとしている。
- 夜行性のため、樹液の出ている木を夜に探しに行くと見つかる可能性が高まる。
- 光を使って採集する方法(ライトトラップ)も有効。
ホームセンターなどで購入
カブトムシは夏になるとホームセンターやネット通販で1匹数百円で購入することができます。野生のカブトムシを探すのが面倒だったり、探しに行く時間がないという人は、手軽に手に入れることができますので、是非検討してみて下さい。
累代飼育する
カブトムシを産卵させて、成虫まで育てることで、翌年以降もカブトムシの成虫を入手することができます。この様に、世代を超えて飼育することを累代飼育と言います。
累代飼育した個体は、蛹から羽化して成虫になった後は、1~2週間程度エサを食べません。カブトムシが羽化してから初めてエサを食べることを「後食」と言います。エサを食べ始めるようになると、カブトムシは性成熟(交尾ができる状態になる)して、産卵できるようになります。
カブトムシの成虫を育てるために必要なもの
カブトムシを育てるのに必要なモノは決して多くありません。以下で紹介する5つのモノを揃えれば、カブトムシを育てることができます。1つずつ紹介しますので、是非ご覧ください。
【必要なもの①】飼育ケース(虫かご)
まずは虫かごを準備しましょう。同じケースに多くのカブトムシを入れると喧嘩をして寿命が短くなってしまいますので、理想的には中サイズの虫かごにオス1匹とメス2匹入れておくのが良いです。その他、選ぶ時のポイントは以下の通りです。
- できる限り大きなケースを選びましょう。
- 脱走を防ぐため、蓋があるケースを選びましょう。
- コバエの侵入を抑えるケースがオススメです。
【必要なもの②】マット
カブトムシ用のマットはホームセンターなどで購入することができますが、様々な種類があるので、目的にあったマットを選ぶようにしましょう。ポイントは以下の通りです。
- カブトムシを産卵させて幼虫を育てたいと考えている場合は、クヌギなどでできた産卵用のマットを選ぶようにしましょう
- 産卵を考えておらず、ダニなどの発生を防ぎたいと考えている場合は、ヒノキなどの針葉樹でできたダニやコバエなどの発生を抑えるマットを選ぶようにしましょう。
【必要なもの③】朽ち木・止まり木・エサ皿
カブトムシはひっくり返ってしまうと、自力では起き上がることができません。そのため、朽ち木など起き上がる時につかまることができるモノを置いておく必要があります。朽ち木はホームセンターなどで購入することができます。
【必要なもの④】昆虫ゼリー
カブトムシのエサとなる昆虫ゼリーは必須のアイテムです。ホームセンターなどで購入することができます。基本的には市販の昆虫ゼリーを与えれば元気に生きてくれます。昆虫ゼリーの留意点を以下に記載します。産卵をさせる場合はプロゼリーなどの高タンパクのゼリーがオススメです。
- マットの上に直接おくとケースの中が汚れてしまう恐れがありますので、エサ皿を使用することをオススメします。
- 昆虫ゼリーは1匹に対して1個与え、3日に1回は交換するようにしましょう。
- 昆虫ゼリーを使わない場合は、バナナやリンゴなどのフルーツを与えるようにしましょう。水分量の多いスイカやメロンなどは避けるようにしましょう。
【必要なもの⑤】虫よけシート
通常の飼育ケースでカブトムシを飼育していると、コバエが侵入してくることがあります。虫よけシートを使うことでコバエの侵入を防ぐことができます。虫よけシートを使うメリットは以下です。
- コバエの侵入を防止できる
- 昆虫マットの乾燥を防ぐことができる
- 臭いを防ぐことができる
カブトムシの成虫の飼い方・育て方
必要なモノとカブトムシの成虫が揃ったら、いよいよ飼育の段階です。
まずは虫かごの中に飼育マットを敷き、朽ち木や登り木をマットの上に置きます。そして、昆虫ゼリーを任意の場所にセットして、カブトムシの成虫を虫かごの中に入れます。
あとは、昆虫ゼリーを適宜交換することと、マットが乾燥しないように定期的に霧吹きなどで湿らせておけば、カブトムシは元気に育ちます。
カブトムシを飼育するにあたっての留意点は以下の通りです。
【留意点①】水分量が多すぎるエサを与えない
カブトムシのエサとして、市販の昆虫ゼリーを与えれば問題ありませんが、フルーツなどを与えるときは水分量が多すぎるモノを与えないよう注意しましょう。例えばスイカやメロンです。
【留意点②】直射日光が当たらない場所で育てる
カブトムシは高温に弱い昆虫ですので、虫かごを直射日光の当たる場所に置かないよう注意しましょう。真夏に直射日光が当たる場所に置いてしまうと、虫かごの中の温度が上昇しすぎてカブトムシが死んでしまう場合があります。カブトムシの適温は20℃から28℃と言われています。30℃は超えないようにしましょう。
また、直射日光が当たるとマットが乾燥してしまいます。そういったことを避けるため、直射日光が当たらない場所で飼育するようにしましょう。
【留意点③】保水をしっかりと行う
カブトムシは乾燥に弱いので、マットは霧吹きなどでしっかりと保水するようにしましょう。
【留意点④】同じケースに沢山入れすぎない
同じケースに多くのカブトムシを入れてしまうと、喧嘩をしてしまい、寿命を縮めてしまいます。長生きをさせたいのであれば、同じケースに入れる数は少なるすることがオススメです。中サイズの虫かごにオス1匹とメスの2匹を入れておくのが理想的です。
【留意点⑤】転倒防止の対策を行う
カブトムシはひっくり返ってしまうと、自力で起き上がることができません。自力で起き上がるためにもがくことで体力を消耗し、寿命が縮まってしまいます。
転倒対策として、朽ち木や止まり木などを入れるようにしましょう。そうしていれば、もし転倒してしまっても起き上がることができます。
【留意点⑥】羽化した直後のカブトムシはエサを食べないことを知っておく
蛹から羽化した直後のカブトムシはエサを食べません。羽化後にエサを食べ始めることを後食(こうしょく・ごしょく)と言います。
カブトムシの場合、一般的に羽化してから後食までの期間は1~2週間程度です。この間は、エサを食べなくても心配する必要はありません。
カブトムシを産卵させて増やす方法
カブトムシの産卵のさせ方と、卵が孵化するまでにやるべきことを解説します。カブトムシは飼育がしやすい昆虫ですので、是非諦めずに累代飼育にチャレンジしてみ下さい!
最初に結論から書きます。カブトムシの産卵方法と卵が孵化するまでにやるべきことは以下の通りです。
- オスとメスを同じ容器に入れて飼育すれば、自然と交尾が始まります。
- 交尾をしたメスは、マットの中で産卵を始めます。産卵・幼虫飼育用のマットを準備して産卵セットを準備しましょう。
- 湿度や温度の管理を適切に行いましょう。
- 産卵した卵は1~2週間程度で孵化します。
交尾をするまで
カブトムシを交尾させるためには、同居ペアリングとハンドペアリングの2つの方法があります。
同居ペアリング
同居ペアリングとは、カブトムシのオスとメスを同じケースに入れることで始まる交尾のことをいいます。
我が家で飼育した時は、通販でオスとメスを購入し、飼育を始めたその日に交尾が始まりました。
ハンドペアリング
ハンドペアリングとは、カブトムシのオスを人為的にメスの上に乗せることで始まる交尾のことをいいます。同居ペアリングでメスが交尾を拒否する場合でも、ハンドペアリングで交尾が始まることもあります。
交尾をする時期
カブトムシは成虫の時期は7月~9月ですので、基本的にはこの期間に交尾が行われます。交尾は個体によって違いますが、一般的には30分程度続きます。長いと1時間程度続くこともあります。
交尾をしてから産卵するまで
交尾が終わったメスは、昆虫マットの中で産卵を始めます。カブトムシの産卵セットを準備しておけば、カブトムシのメスが卵を産み始めます。
カブトムシの産卵セットの組み方
カブトムシを産卵させるためには、以下の手順で産卵セットを組みます。
具体的な手順を以下で解説します。
カブトムシのメスが産む卵の数
カブトムシのメスは、1匹から多くの卵を産みます。一般的には20~30個ほどですが、多いと100個程度の卵を産む個体もいるようです。これほどの数の幼虫を育てられる人は少ないと思いますので、事前に何匹程度飼育したいかを考えておくと良いでしょう。
交尾をして必要な数の卵を産卵したら、メスを針葉樹マットの容器に移しましょう。そうすると、メスは卵を産まなくなります。
カブトムシの卵は非常に小さく、1~2mm程度です。産卵直後は白色ですが、孵化が近くなると段々黄色っぽくなってきます。マットを掘り返すと卵が見つかります。
産卵してから孵化するまで
カブトムシの卵は、産卵してから孵化するまで1~2週間程度と言われます。この間にやるべきことを紹介します。
卵を別の容器に移して管理する
産卵セットのまま放置をしていても、適切に温度と湿度を管理していればカブトムシの卵は孵化して幼虫は育ちますが、別の容器に移しておくと管理がしやすくなります。
交尾済みのカブトムシのメスを産卵セットに入れて、1週間も経てば産み落とされた卵がマットの中にありますので、マットを掘り返してみて卵を探し、見つけた卵は別の容器に移すことをオススメします。
卵は産卵してから1~2週間程度経つと孵化して幼虫になります。孵化した直後の幼虫は2mm程度と非常に小さいので、すぐに見失ってしまいます。
温度管理と湿度管理
温度管理は非常に重要です。30℃を越えるような状態は避けて、25℃~28℃をキープするようにしましょう。30℃を越える環境に置いておくと死んでしまうリスクが高まります。
また、マットは乾燥しないよう、定期的に霧吹きを吹きかけるなど、マットは適度な湿度を保つようにしましょう。湿りすぎていると、カビが生えることがありますので、過度に湿度を高めるのも避けるようにしましょう。
幼虫飼育用のマットを使う
針葉樹のマットを使うと幼虫は死んでしまいますので、必ず幼虫飼育用のマットを使うようにしましょう。幼虫飼育用のマットは、ホームセンターなどで売っていますので確認してみて下さい。
卵は素手で触らない
卵を別の容器に移すときなどは、卵をつぶしてしまうリスクがあるため、卵を素手で触るのを避けましょう。卵は小さいスプーンなどですくうようにしましょう。
カブトムシの幼虫の育て方
カブトムシの幼虫は、クヌギやコナラなどの広葉樹の落ち葉からできた腐葉土を食べて成長します。家で飼育する場合は、ホームセンターなどで幼虫飼育用のマット(土)が販売されていますので、こういったマットの中に幼虫を入れておけば、幼虫はマットを食べて自然と大きく成長し、蛹になります。幼虫を入れるマットは、乾燥しないよう適度に霧吹きなどで加湿するようにしましょう。
幼虫の成長過程
7月から10月頃まで
カブトムシの成虫が産卵して1~2週間程度で卵が孵化して、幼虫が大きく成長します。
11月から2月頃まで
気温が低くなることにより、カブトムシの幼虫が冬眠をしてエサを食べなくなります。冬眠している間は、あまり刺激を与えないようにしましょう。
3月から4月頃まで
温度が高くなり、幼虫が冬眠から覚め、活動を再開してエサを食べるようになります。
5月から7月頃まで
幼虫から蛹になり、蛹が羽化して成虫になります。
カブトムシ飼育の実体験で得た気付き
昆虫ゼリーを食べるペースが速い
我が家では、オス1匹とメス2匹を同じケース内で飼育していますが、昆虫ゼリーが1日で2個無くなります。カブトムシは食欲旺盛で、ゼリーを食べるペースが速いので、できる限りこまめにゼリーを交換するようにしましょう。
昆虫ゼリーが散らかる
昆虫マットに直接昆虫ゼリーを置いておくと、昆虫ゼリーが散らかり、マットが汚れてしまいます。ゼリーのエサ皿を使い、昆虫ゼリーのフィルムに十字の切れ目を入れることで、ゼリーが散らかるのを防止することができます。
虫よけシートを破る
コバエの侵入を防ぐために虫よけシートを設置していましたが、数日に一度カブトムシに破られてしまいました。結構大きな穴をあけていました。
飼育ケースの蓋を閉めていたため、カブトムシが脱走することはありませんでしたが、もし蓋を開けたままにしていれば脱走していたと思われます。
- 虫よけシートを設置していても、飼育ケースの蓋は閉めるようにしましょう。
- 虫よけシートが破れてしまったらコバエが侵入するので、虫よけシートを交換するようにしましょう。
夜間の活動の音が大きい
夜行性のカブトムシは夜間にかなり激しく動き回ります。ブンブンと飛ぶ音もかなり大きいので、寝室でカブトムシを飼育する場合は注意が必要です。
小さくて白い虫が湧く
カブトムシを飼育していると、小さくて白い虫(トビムシやダニ)が大量に湧くことがあります。虫を除去するには、マットの交換を行うことが有効です。
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