イチモンジセセリは日本で最も普通に見られるセセリチョウ科の蝶です。越冬できる地域は南方に限られますが、秋にかけて分布を広げ、北海道でも見られるようになります。
この記事では、これまでに観察したイチモンジセセリの写真を紹介します。
イチモンジセセリの紹介
分布 | 北海道・本州・四国・九州・沖縄 |
生息環境 | 平地 |
発生回数 | 年3~4回程度 |
成虫が見られる時期 | 5月頃から11月頃まで |
越冬の状態 | 幼虫で越冬 |
食草 | イネなどのイネ科の植物 |
亜種 | なし |
イチモンジセセリは東京都心でも普通に見られる蝶です。東北や北海道では越冬できませんが、秋になるに従い徐々に生息地域を広げ、北海道でも見られるようになります。特に8月下旬から9月頃に羽化した個体は集団で移動する性質があります。春に産まれる個体は、夏に産まれる個体と比較して小さくなる傾向が知られています。
飛び方は非常に俊敏で、弾丸のような飛び方をします。花をよく訪れ、花から花に俊敏に飛び回るイチモンジセセリを見かける機会がよくあります。また、地面に吸水する姿や、獣の糞などの汁を吸うイチモンジセセリを見ることもあります。この見た目から、蛾と間違われることも多い蝶です。
イチモンジセセリの幼虫はイネなどのイネ科の植物の葉を食べるため、”イネツトムシ”と呼ばれ、害虫として扱われることもあります。
イチモンジセセリの見分け方
イチモンジセセリは、オオチャバネセセリやチャバネセセリ、ミヤマチャバネセセリなどと見た目がよく似ます。ここでは、イチモンジセセリの見分け方を紹介します。
イチモンジセセリを見分けるポイントは、後翅の裏面の白点の並び方で見分けることができます。この点がほぼ1列に並んでいればイチモンジセセリと判断することができます。
イチモンジセセリの写真集
栃木県日光市
栃木県日光市で観察したイチモンジセセリです。イチモンジセセリは平地から低山地に多く生息しています。
東京都文京区
東京都文京区の小石川植物園で観察したイチモンジセセリです。東京都心で最も普通に見られるセセリチョウ科の蝶がイチモンジセセリです。この写真のように、花の蜜を吸うイチモンジセセリがよく観察できます。
和歌山県九度山町
和歌山県九度山町のイチモンジセセリです。イチモンジセセリは東北や北海道では越冬ができませんが、南方の地域では越冬ができます。
沖縄県石垣市
イチモンジセセリは沖縄県にも普通に生息しています。飛翔能力が高く、繁殖力も強いため、沖縄から北海道まで日本に広い範囲で見ることができる蝶です。地理的変異はなく、沖縄の個体も北海道の個体も同じ見た目をしています。
害虫としてのイチモンジセセリ
イチモンジセセリの幼虫はイネ科の植物を食べて成長するため、稲の害虫として知られています。防除対策として、愛知県のホームページでは以下が紹介されていましたので引用して記載します。
・窒素過多のイネは、産卵されやすくなるので、これを避ける。
・麦後などのほ場では本種が発生しやすいので、第2世代の若齢幼虫期に防除を実施する。
・本種の多発生する年は、豊作のことが多いので、発生の割に被害が少ない害虫であり、あまり重要視されていない。しかし、麦作の後など恒常的な被害を及ぼすケースもあり、あまり軽視をすると思いがけない大きな被害となることもある。
愛知県ホームページ;https://www.pref.aichi.jp/site/byogaichu/itimonji.html
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