ジャコウアゲハは河川敷から平地、山地等、様々な環境に生息し、本州から沖縄の各地で比較的普通に見られる蝶です。滑空するようにゆったりと飛ぶことが多く、メスはオスに比べて色が薄いことや、腹が赤もしくは黄色なのが特徴です。ジャコウアゲハはその他の黒色のアゲハチョウ科の蝶と見た目が似ており、特にオナガアゲハとよく似るため同定には注意が必要です。
この記事では、これまでに観察したジャコウアゲハの写真を紹介します。
ジャコウアゲハの紹介
分布 | 本州・四国・九州・沖縄 |
生息環境 | 平地・山地 |
発生回数 | 年3回程度 |
成虫が見られる時期 | 4月頃から9月頃まで |
越冬の状態 | 蛹で越冬 |
食草 | ウマノスズクサなど |
亜種 | 日本本土亜種、屋久島亜種、奄美・沖縄亜種、宮古亜種、八重山亜種 |
和名の由来は雄が麝香 (ジャコウ)のような香りを発することからジャコウアゲハと名付けられました。宮島幹之助(1904)『日本蝶類図説』によると、昔は「やまじょうらう」と呼ばれていたようです。また、蛹は昔「お菊虫」と呼ばれていました。
本種は河川敷から平地、山地等、様々な環境に生息し、各地で比較的普通に見られます。滑空するようにゆったりと飛ぶことが多く、メスはオスに比べて色が薄いことや、腹が赤もしくは黄色なのが特徴です。幼虫の食草であるウマノスズクサは毒があり、成虫になってもその毒を腹にため込み、鳥に捕食されないようにすると考えられています。成虫は年に3~4回発生します。東北地方から南部に広く分布します。
亜種として、日本本土亜種(alcinous)、屋久島亜種(yakushimana)、奄美・沖縄亜種(loochooana)、宮古亜種(miyakoensis)、八重山亜種(bradanus)が存在します。
ジャコウアゲハはその他の黒色のアゲハチョウ科の蝶と見た目が似ており、特にオナガアゲハとよく似るため同定には注意が必要です。ジャコウアゲハは胴体(腹部)の色が黄色か赤色になることで見分けることができます。
姫路市の市蝶
ジャコウアゲハは姫路市の市蝶になっています。理由は上の写真の記載の通りで、
- 姫路城の城主、池田輝政の家紋が揚羽蝶であること
- ジャコウアゲハの蛹が姫路地方に伝わる幽霊伝説の”お菊”に似ており”お菊虫”と呼ばれていること
から市蝶に指定されたようです。
ジャコウアゲハの見分け方
黒色系のアゲハチョウ科は、どれも見た目が見ているため、蝶に初めて興味を持った方は混乱しがちだと思います。ですが、それぞれの蝶の特徴と見分け方を押さえておけば、決して難しいことはありません。以下で見分け方を一覧で紹介しますので、迷ったときにはこれらの特徴を確認いただければと思います。
ジャコウアゲハは特にオナガアゲハと見た目がよく似ます。見分け方としては、胴体(腹部)の色が、オナガアゲハは黒であるのに対して、ジャコウアゲハは黄色か赤色になります。
ジャコウアゲハの写真集
茨城県土浦市
茨城県土浦市でジャコウアゲハが非常に多く生息する場所を見つけました。ジャコウアゲハは他の黒いアゲハと比べてゆったり滑空するように飛ぶため、飛んでいても見分けることができます。
埼玉県日高市
ジャコウアゲハは東京近郊でも見られます。河川敷や公園、広場などでウマノスズクサがある場所に生息しています。この個体は黒色のジャコウアゲハですのでオスとわかります。メスは翅の色が黒色ではなく、暗灰色をしています。
神奈川県箱根町
神奈川県箱根町で多くのジャコウアゲハが生息していました。この個体は翅の色が暗灰色ですのでメスとわかります。
沖縄県石垣市
沖縄県石垣島には非常に多くのジャコウアゲハが生息していました。石垣島のジャコウアゲハは八重山亜種として扱われ、日本本土亜種とは別の亜種となります。ジャコウアゲハは飛び方がゆったりしていますが、石垣島の個体は飛び方がさらにゆったりしていました。
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