ナガサキアゲハは分布が北上する代表的な種として扱われることが多くあります。以前は関東には生息していませんでしたが、現在では東京都内でも普通に見られるようになりました。ナガサキアゲハは大型のアゲハチョウで、特に夏型のメスは日本の蝶の中では最大級の大きさになります。
この記事では、これまでに観察したナガサキアゲハの写真を紹介します。
ナガサキアゲハの紹介
分布 | 本州・四国・九州・沖縄 |
生息環境 | 平地 |
発生回数 | 年3~5回程度 |
成虫が見られる時期 | 5月から10月頃 |
越冬の状態 | 蛹で越冬 |
食草 | 夏ミカン、カラタチなど |
亜種 | なし |
ナガサキアゲハは、昔は「キュウシュウアゲハ」や「オオアゲハ」とも呼ばれていました。和名の「ナガサキ」は、シーボルトがナガサキで最初に採取したことに由来します。黒色系のアゲハチョウ科の中で唯一尾がないのが特徴です。
元々は九州や沖縄に生息していた蝶ですが、徐々に北上しており、今では東京都心の公園でも普通に見られます。成虫は年3~5回程度発生し、5月から10頃にかけて成虫が見られます。
♀は後翅に白い紋があり、一見モンキアゲハに似ますが、前翅の基部に赤い紋があること等から、飛んでいても見分けることができます。ツツジ等の赤色の花をよく訪れます。幼虫はナツミカン、ユズ等のミカン類の葉っぱを食べます。
ナガサキアゲハの見分け方
黒色系のアゲハチョウ科は、どれも見た目が見ているため、蝶に初めて興味を持った方は混乱しがちだと思います。ですが、それぞれの蝶の特徴と見分け方を押さえておけば、決して難しいことはありません。以下で見分け方を一覧で紹介しますので、迷ったときにはこれらの特徴を確認いただければと思います。
ナガサキアゲハの雌は後翅に大きな紋があり、モンキアゲハと似ますが、モンキアゲハが長い尾があるのに対して、ナガサキアゲハは尾が無いため、見分けるのは容易です。また、ナガサキアゲハは翅の付け根に赤色の模様があるのに対して、モンキアゲハはその模様がありません。
黒いアゲハの違いや見分け方については以下の記事で詳細を解説していますので、こちらの記事も是非ご覧ください。
ナガサキアゲハの写真集
茨城県桜川市
茨城県の筑波山でナガサキアゲハを観察しました。これまで何度か筑波山に行っていて、観察できた個体数はそれほど多くないため、生息数はそれほど多くはない印象です。後翅に大きな白紋があることから、翅が痛んだメスのナガサキアゲハであることが分かります。
東京都文京区
現在は東京都内でもナガサキアゲハを普通に観察できます。東京都文京区にある小石川植物園では多くのナガサキアゲハが観察できます。薄暗い場所を俊敏に飛ぶため、なかなか撮影機会に恵まれませんが、個体数は非常に多い印象です。吸蜜に来ていたナガサキアゲハのメスを運よく観察することができました。夏型のナガサキアゲハの雌は非常に大きく、日本で最大級の大きさの蝶です。後翅に大きな白紋があることからメスであるとわかります。
山口県岩国市
山口県岩国市でカラタチに産卵するナガサキアゲハのメスを観察しました。山口県は、ナガサキアゲハが分布を北上させる以前からの生息地です。後翅に大きな白紋があることからメスであるとわかります。
沖縄本島
沖縄本島で観察したナガサキアゲハです。後翅に白紋が無いことから、オスのナガサキアゲハであることが分かります。
次に読むべきオススメの記事はこちら!
このサイトでは黒いアゲハ蝶の見分け方や、日本に生息する全種類の蝶を紹介しています。興味がある方は以下の記事を是非ご覧ください。
写真の利用について
この記事に限らず、このブログに掲載している写真はフリーに使っていただいて問題ありません。注意事項を以下に記載しますので、ご一読下さい。
- このブログに掲載している全ての写真は、基本的に自由に使っていただいて問題ありません。事前連絡も不要です。
- ただし、出典及びリンク(URL)は必ずご記載いただきますようお願いします。特に、インターネット上に当ブログの写真を掲載する場合は、リンク先の掲載を必ずお願いいたします(リンク先:https://www.choublog.site/)。
- サイズの大きい画像をご希望の場合等については、お問い合わせフォームから個別にお問い合わせをお願いします。
コメント