ギフチョウとヒメギフチョウは見た目はよく似ていますが、幼虫の食草が異なることにより、明確に生息の分布が分かれています。その生息域の境界線は「リュードルフィア線」と呼ばれ、その境界線上には、ギフチョウとヒメギフチョウの両種が混在する地区があります。ここ白馬村はそういった生息域の境界線上でギフチョウとヒメギフチョウが混在する場所の1つです。
この記事では、長野県白馬村の五竜たかくり苑と貞麟寺で、これまでに観察したギフチョウとヒメギフチョウ、ミヤマカラスアゲハなどを紹介します。
なお、白馬村のギフチョウとヒメギフチョウは白馬村文化財保護条例で天然記念物に指定されていて、捕獲が禁止されていますのでご注意ください。
ギフチョウ
白馬村に生息するギフチョウは、後翅縁毛が黄白色になった「イエローバンド型」という特殊な遺伝子を持った種が生息していますが、残念ながらまだイエローバンド型のギフチョウの観察はできていません。白馬村でのギフチョウの生息数は多く、頻繁にギフチョウが観察できます。
ヒメギフチョウ
ヒメギフチョウはギフチョウと見た目がよく似ていますが、ヒメギフチョウの方がやや小型であることや、全体的な色の違い(ヒメギフチョウの方が黄色っぽい)、前翅最外縁の黄色帯の違いから比較的容易に見分けることができます。
白馬村ではヒメギフチョウも安定して観察することができます。
ミヤマカラスアゲハ
白馬特有の蝶ではありませんが、美しい春型のミヤマカラスアゲハを観察できました。この日はひらひらとゆっくり飛んでいて、タンポポに吸蜜にきていました。ツツジにきているミヤマカラスアゲハはよく見ますが、タンポポにも吸蜜に来るようです。
コツバメ
ギフチョウやヒメギフチョウが姿を見せる春先にコツバメも観察することができます。
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