この記事では、
日本には何種類の蝶が生息しているの?
という疑問に答えたいと思います。
結論から先に記載すると、日本では260種類程度の蝶が見られると言われています。”程度”と記載したのは、海外から一時的に飛んできて、土着しないままいなくなる蝶(迷チョウ)が何種類かいるためです。
日本には何種類の蝶が生息しているの?
図鑑に掲載されている蝶の種類(迷チョウ含む)
「フィールドガイド日本の蝶」に掲載されている蝶の種類
有名な蝶の図鑑として、「フィールドガイド日本の蝶(日本チョウ類保全協会編)」があります。この図鑑に掲載されている蝶は”263種類”です。その内訳は以下の通りです。
- アゲハチョウ科:21種類
- シロチョウ科:27種類
- シジミチョウ科:78種類
- タテハチョウ科:100種類
- セセリチョウ科:37種類
この263種類の中には、迷蝶や外来種が含まれています。
「日本産蝶類標準図鑑」に掲載されている蝶の種類
蝶の図鑑の中で最も体系的かつ詳細にまとめられている「日本産蝶類標準図鑑」という図鑑があります。この図鑑に掲載されている蝶は”274種類”です(追補として紹介されている迷チョウを除く)。その内訳は以下の通りです。
- アゲハチョウ科:24種類
- シロチョウ科:29種類
- シジミチョウ科:80種類
- タテハチョウ科:104種類
- セセリチョウ科:37種類
「フィールドガイド日本の蝶」に掲載されている263種類よりも種類が多い理由としては、「日本産蝶類標準図鑑」はより多くの迷チョウが掲載されているためです。例えば、アゲハチョウ科であれば、キシタアゲハやコモンタイマイ、オナシアゲハといった迷チョウが掲載されています。
日本に生息する蝶の種類~結論~
この記事では、2冊の有名な図鑑に掲載されている蝶の種類を紹介しました。その結果、
- フィールドガイド日本の蝶:263種類が掲載されている
- 日本産蝶類標準図鑑:274種類が掲載されている
ということがわかりました。
この種類数は、外来種や海外から一時的に日本に飛来した迷チョウも含まれています。日本産蝶類標準図鑑は、滅多に見ることができない迷チョウも掲載されていることから掲載種が多くなっています。
結論としては、日本で見られる蝶と言えば、フィールドガイド日本の蝶に掲載されている263種類という認識で問題ないと考えます。
日本に生息する蝶の紹介
日本産蝶類標準図鑑に掲載されている全274種類の蝶に加えて、現在種が分けられているヒメシルビアシジミとキタヒョウモン&コウゲンヒョウモンを加えた276種を紹介します。リンク先にそれぞれの蝶の紹介をしています!
アゲハチョウ科:24種類
No | 種類 |
1 | ギフチョウ |
2 | ヒメギフチョウ |
3 | ホソオチョウ |
4 | ウスバシロチョウ |
5 | ヒメウスバシロチョウ |
6 | ウスバキチョウ |
7 | ジャコウアゲハ |
8 | ベニモンアゲハ |
9 | キシタアゲハ※迷蝶 |
10 | アオスジアゲハ |
11 | ミカドアゲハ |
12 | コモンタイマイ※迷蝶 |
13 | ナミアゲハ(アゲハ) |
14 | キアゲハ |
15 | オナシアゲハ※迷蝶 |
16 | ナガサキアゲハ |
17 | モンキアゲハ |
18 | シロオビアゲハ |
19 | クロアゲハ |
20 | オナガアゲハ |
21 | カラスアゲハ |
22 | オキナワカラスアゲハ |
23 | ヤエヤマカラスアゲハ |
23 | ミヤマカラスアゲハ |
シロチョウ科:29種類
- ヒメシロチョウ
- エゾヒメシロチョウ
- ツマキチョウ
- クモマツマキチョウ
- ツマベニチョウ
- ナミエシロチョウ
- カワカミシロチョウ(※迷蝶)
- タイワンシロチョウ
- クロテンシロチョウ
- オオモンシロチョウ
- モンシロチョウ
- タイワンモンシロチョウ
- エゾスジグロシロチョウ
- ヤマトスジグロシロチョウ
- スジグロシロチョウ
- ツマグロキチョウ
- ホシボシキチョウ(※迷蝶)
- タイワンキチョウ
- ミナミキチョウ
- キタキチョウ
- ミヤマシロチョウ
- エゾシロチョウ
- ヤマキチョウ
- スジボソヤマキチョウ
- ミヤマモンキチョウ
- モンキチョウ
- キシタウスキシロチョウ(※迷蝶)
- ウラナミシロチョウ
- ウスキシロチョウ
シジミチョウ科:81種類
- ウラギンシジミ
- ゴイシシジミ
- シロモンクロシジミ(※迷蝶)
- キマダラルリツバメ
- ルーミスシジミ
- ムラサキシジミ
- ムラサキツバメ
- ウラゴマダラシジミ
- ムモンアカシジミ
- チョウセンアカシジミ
- ウラキンシジミ
- アカシジミ
- カシワアカシジミ
- ウラナミアカシジミ
- ミズイロオナガシジミ
- ウスイロオナガシジミ
- オナガシジミ
- ウラミスジシジミ
- ウラクロシジミ
- フジミドリシジミ
- ウラジロミドリシジミ
- ヒロオビミドリシジミ
- ハヤシミドリシジミ
- エゾミドリシジミ
- オオミドリシジミ
- クロミドリシジミ
- ジョウザンミドリシジミ
- ミドリシジミ
- アイノミドリシジミ
- メスアカミドリシジミ
- ヒサマツミドリシジミ
- キリシマミドリシジミ
- カラスシジミ
- ミヤマカラスシジミ
- ベニモンカラスシジミ
- リンゴシジミ
- コツバメ
- トラフシジミ
- イワカワシジミ
- ベニシジミ
- クロシジミ
- ホリイコシジミ
- シルビアシジミ
- ヒメシルビアシジミ
- ハマヤマトシジミ
- ヤマトシジミ
- ゴイシツバメシジミ
- タイワンツバメシジミ
- ツバメシジミ
- クロツバメシジミ
- ツシマウラボシシジミ
- リュウキュウウラボシシジミ
- ヒメウラボシシジミ
- タイワンクロボシシジミ
- ヤクシマルリシジミ
- タッパンルリシジミ
- サツマシジミ
- ルリシジミ
- オガサワラシジミ
- スギタニルリシジミ
- カクモンシジミ
- ウラナミシジミ
- ヒメウラナミシジミ
- マルバネウラナミシジミ
- アマミウラナミシジミ
- ルリウラナミシジミ
- シロウラナミシジミ
- ウスアオオナガウラナミシジミ
- ムラサキオナガウラナミシジミ
- オジロシジミ
- ソテツシジミ
- クロマダラソテツシジミ
- ヒメシジミ
- アサマシジミ
- ミヤマシジミ
- ジョウザンシジミ
- カラフトルリシジミ
- オオルリシジミ
- カバイロシジミ
- オオゴマシジミ
- ゴマシジミ
タテハチョウ科:105種類
- テングチョウ
- ムラサキテングチョウ
- コヒョウモンモドキ
- ヒョウモンモドキ
- ウスイロヒョウモンモドキ
- アカマダラ
- サカハチチョウ
- ヒメアカタテハ
- アカタテハ
- キタテハ
- シータテハ
- エルタテハ
- ヒオドシチョウ
- キベリタテハ
- コヒオドシ
- クジャクチョウ
- ルリタテハ
- タテハモドキ
- アオタテハモドキ
- イワサキタテハモドキ
- イワサキコノハ
- コノハチョウ
- メスアカムラサキ
- リュウキュウムラサキ
- ヤエヤマムラサキ
- イシガケチョウ
- ホソバヒョウモン
- カラフトヒョウモン
- アサヒヒョウモン
- コヒョウモン
- キタヒョウモン
- コウゲンヒョウモン
- ウラギンスジヒョウモン
- オオウラギンスジヒョウモン
- クモガタヒョウモン
- メスグロヒョウモン
- ミドリヒョウモン
- ギンボシヒョウモン
- ウラギンヒョウモン
- オオウラギンヒョウモン
- ツマグロヒョウモン
- ウラベニヒョウモン
- タイワンキマダラ
- カバタテハ
- スミナガシ
- ヤエヤマイチモンジ
- シロミスジ
- ミスジチョウ
- オオミスジ
- ホシミスジ
- フタスジチョウ
- コミスジ
- リュウキュウミスジ
- イチモンジチョウ
- アサマイチモンジ
- オオイチモンジ
- フタオチョウ
- ゴマダラチョウ
- アカボシゴマダラ
- コムラサキ
- オオムラサキ
- ベニヒカゲ
- クモマベニヒカゲ
- タカネヒカゲ
- ダイセツタカネヒカゲ
- ヒメヒカゲ
- シロオビヒメヒカゲ
- ヒメウラナミジャノメ
- ウラナミジャノメ
- リュウキュウウラナミジャノメ
- ヤエヤマウラナミジャノメ
- マサキウラナミジャノメ
- コジャノメ
- ヒメジャノメ
- リュウキュウヒメジャノメ
- ウラジャノメ
- ツマジロウラジャノメ
- キマダラモドキ
- オオヒカゲ
- ジャノメチョウ
- ウスイロコノマチョウ
- クロコノマチョウ
- シロオビヒカゲ
- クロヒカゲ
- ヒカゲチョウ
- クロヒカゲモドキ
- ヒメキマダラヒカゲ
- サトキマダラヒカゲ
- ヤマキマダラヒカゲ
- オオゴマダラ
- ウスコモンマダラ
- ミナミコモンマダラ
- リュウキュウアサギマダラ
- ヒメアサギマダラ
- タイワンアサギマダラ
- アサギマダラ
- カバマダラ
- スジグロカバマダラ
- スジグロシロマダラ
- ミダムスルリマダラ
- マルバネルリマダラ
- ルリマダラ
- ツマムラサキマダラ
- シロオビマダラ
- ガランピマダラ
セセリチョウ科:37種類
- アオバセセリ
- タイワンアオバセセリ
- オキナワビロウドセセリ
- テツイロビロウドセセリ
- キバネセセリ
- コウトウシロシタセセリ
- ダイミョウセセリ
- チャマダラセセリ
- ヒメチャマダラセセリ
- ミヤマセセリ
- ギンイチモンジセセリ
- ホソバセセリ
- タカネキマダラセセリ
- カラフトタカネキマダラセセリ
- ホシチャバネセセリ
- クロボシセセリ
- コチャバネセセリ
- カラフトセセリ
- スジグロチャバネセセリ
- ヘリグロチャバネセセリ
- ヒメキマダラセセリ
- アサヒナキマダラセセリ
- コキマダラセセリ
- アカセセリ
- キマダラセセリ
- ネッタイアカセセリ
- バナナセセリ
- オオシロモンセセリ
- クロセセリ
- オオチャバネセセリ
- ミヤマチャバネセセリ
- トガリチャバネセセリ
- チャバネセセリ
- ユウレイセセリ
- ヒメイチモンジセセリ
- オガサワラセセリ
- イチモンジセセリ
(参考)土着種と迷チョウについて
土着種と迷チョウについては、「日本産蝶類標準図鑑」という図鑑にわかりやすく定義が記載されています。
【どちゃくしゅ(土着種)】
その地方(土地)にすみついている種をいう。これに対して、その地方で発見されても、すみついていない種を偶産種といい、とくにチョウの場合にはこれを迷チョウ、あるいは偶産チョウとよぶ。たとえば、ウラナミシジミは東北地方や、ときに北海道でも採集されるが、これらの地方では冬を越すことができず、冬がくるとしんでしまい、その子孫は続かない。ウラナミシジミが冬を越すことのできるのは関東地方より西南の暖かい土地で、春になると、これらの地方で冬を越したチョウは、世代を繰り返しながら北の方に広がりはじめ、夏から秋にかけて、東北地方や北海づまであらわれる。つまり、ウラナミシジミは、鹿児島県では土着種であるが、東北地方や北海道では迷チョウということになる。迷チョウの中には、台湾やフィリピンあたりから、風にのって日本にやってくる熱帯性の蝶が多い。
白水隆著(2014).「日本産蝶類標準図鑑」学研
【めいチョウ(迷チョウ)】
その地域にすみついていないチョウが、ほかの地域からやってくる場合に、それを迷チョウ(または偶産チョウ、偶産種)という。日本の迷チョウのなかには、ほとんど毎年、南方から日本本土にやってきて夏から秋にかけて日本で幼虫が発生して繁殖をするものもある(たとえば、メスアカムラサキ・リュウキュウムラサキ・アオタテハモドキなど。これらを侯チョウとよぶこともある)。また反対に日本に来る例がきわめて少なく、日本では幼虫の発生が認められないものもあり、いろいろの段階がある。最近ではその地域にすみついていないチョウをすべて迷チョウとよんでいる。
白水隆著(2014).「日本産蝶類標準図鑑」学研
日本に生息する蝶を数える時には、こういった迷チョウをどこまで含めるかで種類数は変わってきます。また、蝶の分布は変化しており、土着種もその時代によっても変わります。例えば、クロマダラソテツシジミは、以前は迷チョウでしたが、現在では土着種となっています。
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