カブトムシやクワガタの成虫の飼育で定期的に行わなければいけないことは「ゼリーの交換」と「霧吹きによる水やり」です。
ゼリーの交換はゼリーが無くなれば交換すればよいので、交換の頻度はわかりやすいのですが、霧吹きは頻度がよくわからないという人も多いと思います。
カブトムシやクワガタは、マットが乾燥すると生きていくことができません。一方で、あまりにも湿度が高くてビチョビチョすぎても生きていけません。ちょうど良い湿度を保つことが必要となります。この記事では、カブトムシやクワガタの霧吹きの頻度を解説します。
カブトムシやクワガタに霧吹きが必要な理由は?
自然界と飼育環境の違い
自然界のカブトムシは主に雑木林に生息しています。雑木林の土は程よく湿度が保たれており、カブトムシが生息するのにちょうど良い環境になっています。
一方で、飼育環境下のカブトムシは雨が降らないため放置しておくとどんどん乾燥していきます。密閉度が高い容器の中であれば乾燥は防げますが、それでも徐々に乾燥していくことは避けられません。
カブトムシやクワガタに湿度が必要な理由
人間は口から呼吸をしますが、カブトムシやクワガタは体の側面にある気門(きもん)から呼吸をします。この時、マットが乾燥した状態だと、体の中に水分を取り込むことができず、生命を維持できなくなってしまいます。
ある程度マットが湿った状態であれば、適度な水分がカブトムシやクワガタの体内に入り、生命を維持していくことができます。これは成虫だけでなく、幼虫も同様です。
成虫を飼育する時の霧吹きの頻度
成虫は排泄物などである程度マットが湿潤状態となる
カブトムシやクワガタの成虫は、エサであるゼリーなどを食べて排泄物を出します。排泄物は液体であるため、それによりある程度マットが湿ります。
カブトムシやクワガタを飼育する密度によりますが、高密度で飼育している場合は、それだけでマットが常に湿った状態となることもあります。この場合は霧吹きの頻度は少なくなります。ただし、マットが不衛生となるため、マットの交換を定期的に行った方が良いです。
また、水分の多いエサ(例えばスイカなど)を与えていると、排泄物の頻度も高くなります。それによりマットが湿った状態となることもあります。
そのほか、例えばコバエシャッターなどの密閉性の高い飼育ケースを使用している場合はマットが乾燥しにくいため、霧吹きがほとんど不要の場合もあります。
成虫の霧吹きのタイミング
一般的にマットは表面から先に乾いていきますので、表面が乾燥しはじめたら霧吹きをすれば十分です。成虫の場合は、前述の通り排泄物である程度湿潤状態が確保できますので、それほど高頻度で霧吹きをする必要はないと言えます。
幼虫を飼育する時の霧吹きの頻度
幼虫には成虫より水分が必要
カブトムシやクワガタの幼虫は、成虫と比較して水分量を多めにしておくことが必要です。
幼虫はマットそのものをエサとしますので、マットが乾燥してしまうと水分を吸収することができなくなります。また、成虫と違って殻に覆われていないため、発散する水分量が成虫と比べて多くなります。
幼虫の霧吹きのタイミング
幼虫を飼育する時の最適な水分量は、マットを握った時に形が残る程度が最適です。乾燥しすぎていると、マットを握っても形が残らず崩れてしまいます。一方で、マットを握った時に水分が染み出てくると水分量が多すぎます。その中間がちょうど良い水分量と言えます。そういった状態が保てるよう、定期的に霧吹きをするようにしましょう。
特に蛹の時期(カブトムシの場合は4月から5月頃にかけて)は、乾燥しすぎていたり湿りすぎていると蛹室が崩れてしまうことがあります。冬を越した幼虫は、マットの状態をよく確認するようにしましょう。
市販の幼虫のマットの留意点
市販の幼虫飼育用のマットは、最初から水分量が調整されているものも多くあります。マットを購入したら、まずはそのマットが加湿されているのかを確認するようにしましょう。
まとめ
最後にこの記事の内容をまとめます。
- カブトムシやクワガタは体の側面にある気門(きもん)から呼吸をします。この時、マットが乾燥した状態だと、体の中に水分を取り込むことができず、生命を維持できなくなってしまいます。
- 一般的にマットは表面から先に乾いていきますので、表面が乾燥しはじめたら霧吹きをすれば十分です。成虫の場合は、排泄物である程度湿潤状態が確保できますので、それほど高頻度で霧吹きをする必要はないと言えます。
- 幼虫を飼育する時の最適な水分量は、マットを握った時に形が残る程度が最適です。そういった状態が保てるよう、定期的に霧吹きをするようにしましょう。
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