日本には何種類のアゲハチョウが生息しているの?
青いアゲハや黒いアゲハをよく見かけるけど、あれは何ていう名前?
普段の生活の中で、アゲハチョウ科の蝶はサイズが大きいため、よく目につきます。黄色いアゲハチョウは、”アゲハチョウ”というそのままの名前なので、知っている人が多いと思います。一方で、黒いアゲハチョウや青いアゲハチョウは、見たことはあるものの名前を知らない人が多いと思います。
この記事では、日本に生息するアゲハチョウ科の蝶を写真付きで紹介します。
日本に生息するアゲハチョウ科の種類
まず最初に、日本に生息するアゲハチョウ科の種類について解説します。
アゲハチョウ科有名な蝶の図鑑として、「フィールドガイド日本の蝶(日本チョウ類保全協会編)」があります。この図鑑に掲載されている蝶は”21種類”です。
また、蝶の図鑑の中で最も体系的かつ詳細にまとめられている「日本産蝶類標準図鑑」という図鑑があります。この図鑑に掲載されている蝶は”24種類”です(追補として紹介されている迷チョウを除く)。
この2つの図鑑から、概ね20種類強の種類のアゲハチョウが日本には生息していることがわかります。この記事では、その中で本州で見られる15種類の蝶を写真付きで紹介します。
ギフチョウ
ソメイヨシノの開花とほぼ同時期に成虫が発生し、春にだけ見られる日本を代表する蝶の1種(日本の固有種)です。「春の女神」と呼ばれ、度々メディアにも登場します。
明治16年(1883年)に初代名和昆虫研究所所長の名和靖さんが学会に紹介し、岐阜県でこの蝶が得られたため、ギフチョウと名付けられました。昔は「ダンダラチョウ」とも呼ばれていました。
成虫は10時頃から飛翔を開始し、カタクリやタチツボスミレ等の丈の低い花を好んで吸蜜します。
高度経済成長期以降、急激に数を減らしており、1973年頃までは八王子市高尾山一帯の小仏峠・景信山・御殿峠に生息するなど、南関東でも広い範囲で生息していましたが、現在は南関東では神奈川県の一部にしか生息していません。
成虫の写真
ヒメギフチョウ
ギフチョウと同様に、春を代表する蝶の1種です。カタクリ等の花をよく訪れます。警戒心はそれほど高くなく、近づいても逃げないことが多いです。幼虫はウスバサイシン、オクエゾサイシンを食草とします。
ギフチョウと似ますが、本種の方が小型であること、黒帯が細くて後翅外縁のオレンジ列が地色と同じ黄色になること等で違いがあります。また、ギフチョウと生息域がはっきりと分かれており、おおむねフォッサマグナより東では本種が、西ではギフチョウが生息します。長野県の白馬村をはじめとする数か所では両種が混在して生息しています(生息域の境界線を「リュードルフィア線」と呼ぶ)。
亜種として、本州亜種(inexpecta)、北海道亜種(yessoensis)が存在し、北海道亜種は、「エゾヒメギフチョウ」と呼ばれることもあります。
成虫の写真
ギフチョウとヒメギフチョウの違い
ギフチョウとヒメギフチョウは、どちらも原始的なアゲハチョウであり、見た目は非常によく似ますが、生息域ははっきりとわかれています。わかれている理由としては、幼虫の食草が、ギフチョウはカンアオイ、ヒメギフチョウはウスバサイシンとわかれており、その分布に左右されるためです。生息域の境界線は、「リュードルフィア線」と呼ばれ、その境界線上には、ギフチョウとヒメギフチョウの両種が混在する地区があります。なお、「リュードルフィア」とは、ギフチョウの学名に由来します。
(画像出典:国土交通省北陸地方整備局HP)
ウスバシロチョウ
別名ウスバアゲハ。昔は「につくわうしろてふ(ニッコウシロチョウ)」、「べつこうてふ(ベッコウチョウ)」とも呼ばれていました。春から初夏(4月下旬~6月頃まで)に見られる蝶です。種名に“シロチョウ”とつきますが、シロチョウ科ではなくアゲハチョウ科に分類されます。草地の上を滑空するように飛翔し、よく花を訪れます。警戒心が弱く、近づいても逃げないことが多いのが特徴です。似た種としてヒメウスバシロチョウがおり、北海道では生息地が重なる場所もあるため、同定には注意が必要ですが、本州で似た種は特にいません。
成虫の写真
クロアゲハ
クロアゲハは、都心部でも見かける機会の多いアゲハチョウ科の蝶です。分布も広く、本州、四国、九州、沖縄で普通に見ることができます。分布の北限は東北地方北部であり、青森県では稀で、北海道には生息していません。
沖縄に生息する個体は沖縄・八重山亜種とされていて、赤斑がよく発達する特徴があります。
- 食草:カラスザンショウやカラタチなどのミカン科の植物
- 分布:本州から沖縄まで広く分布
- 成虫が見られる時期:4月頃から10月頃まで
- 生息環境:農地や民家、公園など
日本蝶類図説(1904年の図鑑)に掲載されているクロアゲハ
1904年に出版された日本蝶類図説(宮島幹之助)という図鑑があります。まずは、ここに記載されているクロアゲハを紹介します。
全翅黒く、雌雄にて其状を異にす。雄前翅地色は淡褐黒色なれど、近縁脉脉間條は濃黒色なり。後翅黒褐色にして肛角の青黒點は橙紅色の環にて圍まる。前縁には蒼白色の廣帯あり。裏面の赤色半月紋は外縁に列び、内縁に近きほど大なり。尾は短くして黒し。雌一般に雄よりも大きく淡色なり。後翅前縁の白帯なく、肛角赤色紋は大にして顕著なり。時として表面にも外縁の沿ひ赤色半月紋列あることありて、變化に富む。春生は夏生に比すれば翅小なり。
●期部 四月ー九月
●産地 本島、四国、九州、琉球
●仔虫 あげはの仔虫に類し、柑橘類の葉を食し、大なる帯蛹を作くる
宮島幹之助(1904)『日本蝶類図説』.
成虫の写真
ナガサキアゲハ
昔は「キュウシュウアゲハ」や「オオアゲハ」とも呼ばれていました。元々は九州や沖縄に生息していた蝶ですが、徐々に北上しており、今では東京都心の公園でも普通に見られます。成虫は年3~6回発生します。和名の「ナガサキ」は、シーボルトがナガサキで最初に採取したことに由来します。黒色系のアゲハチョウ科の中で唯一尾がないのが特徴です。
また、♀は後翅に白い紋があり、一見モンキアゲハに似ますが、前翅の基部に赤い紋があること等から、飛んでいても見分けることができます。ツツジ等の赤色の花をよく訪れます。幼虫はナツミカン、ユズ等のミカン類の葉っぱを食べます。
成虫の写真
モンキアゲハ
モンキアゲハという名が示す通り、大きな黄色斑が後翅にあるのが特徴です。関東地方以南の山地に多く生息しており、新潟県や宮城県でも観察はできるものの分布は限られます。また、沖縄本島には生息していますが、八重山諸島では迷チョウとなります。山地の道路などでよく見かけることができ、チョウ道が最も明確に見られる種の1つです。
- 食草:カラスザンショウやカラタチなどのミカン科の植物
- 分布:本州(主に関東以南)・四国・九州・沖縄に広く分布
- 成虫が見られる時期:5月頃から8月頃まで
- 生息環境:主に山地
日本蝶類図説(1904年の図鑑)に掲載されているモンキアゲハ
黒色の種なれど後翅中央に黄白色の紋列あるを以て容易に多種と區別し得べし。翅は一般に帯褐黒色なり。前翅脉間に黄金色の鱗粉微かに散布し、後翅中央に黄白色紋あり。其幅廣くして外邊不規則なり。肛角の赤色半月紋は微かにして尾は長からず。裏面は表面よりも色淡く、後翅の外縁に赤色の半月紋列あり。雌雄の差異著しからず。
●期節 五月ー八月
●産地 本島、四国、九州、琉球
●仔虫 緑色にして両側下部に淡紅色條あり。蛹は黄褐色にして甚しく曲がる。食草未詳(ムーア氏)
宮島幹之助(1904)『日本蝶類図説』.
成虫の写真
オナガアゲハ
オナガアゲハという名が示す通り、オナガアゲハはクロアゲハと比較して、尾状突起が長いことが特徴です。季節による違いもあり、他の多くのアゲハチョウ科の蝶と同様に、一般的に春型は小型で、夏型は大型になる特徴があります。本州の中部よりも北側では平地にも生息しますが、それよりも南側では基本的に山地に生息します。オナガアゲハは特段珍しい蝶というわけではありませんが、クロアゲハやカラスアゲハなどと比較すると観察する機会が少ない蝶です。
他の黒色系のアゲハチョウ科の蝶と同様に、赤色の花をよく訪れます。
- 食草:コクサギやカラタチなどのミカン科の植物
- 分布:北海道・本州・四国・九州に広く分布
- 成虫が見られる時期:4月頃から8月頃まで
- 生息環境:主に山地
日本蝶類図説(1904年の図鑑)に掲載されているオナガアゲハ
前種(クロアゲハ)に類し黒色なれど翅狭長なり。前翅表面は灰黒色にして脉間の黒條細し。後翅外縁の鋸歯深くして翅の基部色濃く、尾は頗る狭長なり。外縁に暗赤色の半月紋列あり。肛角紋は環状をなす。裏面は表面よりも色淡し。雌は雄よりも翅廣く、尾短し、前種(クロアゲハ)の如く雄には後翅前縁に蒼白色の帯あれど雌には之を缺く。多く山地に飛翔し、長き後翅と尾とに花粉を荷ひ百合科の花の受粉を助く。
●期節 五月ー八月
●産地 北海道、本島、四国、九州(山地)
●仔虫 食草等未詳
宮島幹之助(1904)『日本蝶類図説』.
成虫の写真
ジャコウアゲハ
和名の由来は雄が麝香 (ジャコウ)のような香りを発することからジャコウアゲハと名付けられました。宮島幹之助(1904)『日本蝶類図説』によると、昔は「やまじょうらう」と呼ばれていたようです。また、蛹は昔「お菊虫」と呼ばれていました。
本種は河川敷から平地、山地等、様々な環境に生息します。滑空するようにゆったりと飛ぶことが多く、メスはオスに比べて色が薄いことや、腹が赤もしくは黄色なのが特徴です。幼虫の食草であるウマノスズクサは毒があり、成虫になってもその毒を腹にため込み、鳥に捕食されないようにすると考えられています。成虫は年に3~4回発生します。東北地方から南部に広く分布します。
亜種として、日本本土亜種(alcinous)、屋久島亜種(yakushimana)、奄美・沖縄亜種(loochooana)、宮古亜種(miyakoensis)、八重山亜種(bradanus)が存在します。
成虫の写真
ナミアゲハ(アゲハチョウ)
ナミアゲハは北海道から九州、南西諸島、小笠原諸島まで全国に広く分布する蝶で、平地から低山地に多く生息します。また、日本蝶類図説に記載のある通り、春に成虫となる春型と夏に成虫となる夏型で大きさや模様が異なる特徴があり、春型の方が小型で、外縁黒帯の幅が狭いなどの特徴があります。
- 食草:ミカン科の植物(ミカン、カラタチ、サンショウ、ヘンルーダなど)
- 分布:北海道から九州、南西諸島、小笠原諸島まで全国に広く分布
- 成虫が見られる時期:4月頃から10月頃まで
- 生息環境:農地や民家、公園など
日本蝶類図説(1904年の図鑑)
1904年に出版された日本蝶類図説(宮島幹之助)という図鑑があります。まずは、ここに記載されている内容を紹介します。
全翅淡緑色にして、黒紋黒條多く、翅縁翅脉も亦黒し。前翅中室に黒色の縦線と横紋あり。淡緑色中央方斑列は後縁に近づくに従い横に長く、外縁も半月淡緑色紋列あり。後翅基部は淡緑色にして、外縁黒色部に藍色の粉鱗散布し、外縁列半月紋は又淡緑色にして肛角紋は橙黄色中に一小黒點を有す。尾状部は深黒なり。春生は小にして淡緑色多く、夏生は大にして黒色部廣し。
●期節 三月ー十月
●産地 北海道、本島、四国、九州、琉球
●仔虫 緑色にして、からたち、いぬざんせう等の葉を食し、緑色の帯蛹を作くる
宮島幹之助(1904)『日本蝶類図説』.
この様に、当時から日本全国に分布して、ミカン科の植物を食草とすることがわかっていたようです。また、春型と夏型の違いについてもすでに判明していたことがわかります。
成虫の写真
キアゲハ
キアゲハも都心部の公園などでも普通に見ることができ、北海道から九州まで広い範囲に生息しています。沖縄にも過去に観察した記録は3例ありますが、定着はしていません。
ナミアゲハと見た目はよく似ていますが、キアゲハは滑空するように飛ぶ特徴があり、慣れてくると飛び方や模様の違いにより飛んでいても見分けることができるようになります。
アゲハチョウの幼虫はミカン科の植物の葉を食べるのに対して、キアゲハの幼虫はパセリ等のセリ科の植物を食べます。庭にパセリを植えておくと卵を産みにくる本種を見ることができると思います。
- 食草:パセリなどのセリ科の植物
- 分布:北海道から九州まで広く分布
- 成虫が見られる時期:4月頃から10月頃まで
- 生息環境:農地や民家、公園など
日本蝶類図説(1904年の図鑑)
1904年に出版された日本蝶類図説(宮島幹之助)という図鑑があります。まずは、ここに記載されているキアゲハを紹介します。
全翅黄色にして翅脉翅縁は黒し。前翅基部黒く黄色の粉鱗散布し、翅脉は其間に黄色黄斑を形成す。中室に二黄斑ありて、外縁に黄鱗散布し、且つ邊縁に黄紋列あり。後翅黒色部幅廣く、中に藍色の斑あり。外縁に沿ひ黄色の半月紋列をなす。尾状部は眞直にして黒く内側に藍黒色にて圍める。赭赤色の圓點ありて眼様紋をなす。夏生は春生よりも大にして色濃く、尾又長し。雄の地色は濃黄にして、雌は黒味を帯ぶ。
●期節 三月ー十月
●産地 北海道、本島、四国、九州
●仔虫 鮮緑色にして黒帯あり、赤色、黒色の斑點多し、にんじん、ういきやう等、栽培繖形科植物を食す蛹は帯黄緑色乃至帯褐黄色なり。
宮島幹之助(1904)『日本蝶類図説』.
成虫の写真
カラスアゲハ
カラスアゲハは、クロアゲハほどではありませんが都心部でも比較的見かける機会の多いアゲハチョウ科の蝶です。分布も広く、北海道、本州、四国、九州で普通に見ることができます。
カラスアゲハとオキナワカラスアゲハ、ヤエヤマカラスアゲハは以前は同種として扱われていましたが、交配実験等で詳細な分類の研究がなされ、その結果から現在は別種とされています。
ミヤマカラスアゲハほどではないものの、翅の表面の青緑色に輝く鱗粉が美しい蝶です。季節型がはっきりしており、春型は小型で夏型は大型となります。
- 食草:カラスザンショウやカラタチなどのミカン科の植物
- 分布:北海道から九州まで広く分布
- 成虫が見られる時期:4月頃から10月頃まで
- 生息環境:農地や民家、公園など
日本蝶類図説(1904年の図鑑)に掲載されているカラスアゲハ
1904年に出版された日本蝶類図説(宮島幹之助)という図鑑があります。まずは、ここに記載されているカラスアゲハを紹介します。
日本蝶類図説では、カラスアゲハの産地として「琉球」の記載があります。現在は沖縄の種は別種(オキナワカラスアゲハ、ヤエヤマカラスアゲハ)と分類されているため、現在はカラスアゲハは沖縄には生息していません。
翅皆黒く青藍色の粉鱗散布し、殊に翅の基部に多し。前翅後縁に近く天鵞繊様の廣き綛あり。近縁は白し。後翅外縁に青藍色の半月紋列あり。肛角紋内に赤色の新月紋あり。外縁の鋸歯は緩く、歯縁は白し。裏面前翅の基部脉及び外縁は黒鳶色を呈し、他は淡鳶色なり。尚脉間には黒條あり。後翅内半部に暗黄色の粉鱗多く、外縁に赤色の半月紋列あり。夏生は春生よりも大く、殊に雄は雌よりも其色彩に甚だ變化多し。
●期節 三月ー十月
●産地 本島、四国、九州、琉球、北海道
●仔虫 あげはの仔虫の酷似し、きはだ、しころ等柑橘類の葉を食す。(グレーザー)
宮島幹之助(1904)『日本蝶類図説』.
成虫の写真
ミヤマカラスアゲハ
過去には東京都の小石川周辺での採集情報はあるものの、和名の示す通り基本的に山地に生息します。カラスアゲハやクロアゲハと混生していることも多くありますが、標高が高くなるにつれ、本種のほうがよくみられるようになります。夏型に比べて春型の方が大型であり、かつ輝きが強い傾向があります。ツツジ等の赤い花をよく訪れ、集団吸水をする姿もよく見られます。成虫は北海道から九州まで広く分布します。幼虫はカラスザンショウ、キハダ、ハマセンダン等の葉を食べます。
カラスアゲハやクロアゲハ、オナガアゲハ等と似ますが、本種は輝きが強いこと、後翅裏面に白帯があることが特徴(なお、はこの白帯が消失する個体も稀に見られる)であり、見分けるのはそれほど難しくありません。
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アオスジアゲハ
幼虫の食樹が街路樹や都心の公園に植栽されるため、都心の公園等でよく見られます。季節型があり、春型は夏型と比べて小型になる傾向があります。別名でクロタイマイと呼ばれることもあります。敏速に飛翔するため、飛翔中の撮影は困難を極めるが、花をよく訪れるため、放花中の撮影はそれほど難しくありません。地面で吸水する光景もよく見られます。現在は北海道には生息していないと考えられていますが、1904年『日本蝶類図説』(宮島幹之助)では、産地として“北海道(稀)”が記載されています。
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ミカドアゲハ
ミカドアゲハは日本が分布の北限となる蝶です。九州や沖縄では全域に生息していますが、九州では山地は局地的です。四国や本州では南部に限り生息地があります。
見た目がよく似たアオスジアゲハよりはやや緩やかに飛翔し、食草が植栽される神社や公園などによく生息しています。成虫は花をよく訪れ、蜜を吸う姿をよく目にします。オスは地面から吸水する姿をよく目にします。
亜種としては、日本本土亜種と沖縄・八重山亜種がいます。
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ホソオチョウ
ホソオチョウは元々日本に生息していなかった外来種です。1978年に東京都で最初に確認され、その後日本の各地で発生が確認されました。増えた理由は”人為的な放蝶”、つまり人の手によって韓国(推定)から持ってこられました。その名の通り細い尾が特徴で、飛び方は非常に緩やかです。幼虫の食草はウマノスズクサです。在来種であるジャコウアゲハの幼虫と同じ食草であるため、その競合が懸念されています。
過去、蝶の観察の際に出会った方が内緒話として話してくれたのですが、その方は”ホソオチョウを日本に持ってきた人を知っている”と言っていました。その発言が本当かどうかは不明ですが、元々生息していなかった蝶がいきなり日本で増えたことを考えると、人為的に持ち込まれたことは間違いないと思われます。
現在は、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」に基づき「生態系被害防止外来種リスト」に入っています。
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