【蝶の擬態など】蝶の生存戦略とは?天敵である鳥に捕食されない手段を解説

蝶の生態他
こんにちは!Nao(Xアカウント:@fujimidori123)です!

チョウはガと比べると色鮮やかで美しい色や模様をした種類が多いのですが、その理由をご存じでしょうか?その答えはチョウが進化した歴史にあります。蝶の美しさは、厳しい生存競争を勝ち抜くための戦略でした。

蝶の天敵といえば、、、そう、鳥です。蝶は鳥に捕食されないようにするため、進化の過程で様々な武器を手に入れてきました。例えばコノハチョウが枯葉に擬態しているというのは有名な話かもしれませんが、擬態以外にも様々な武器を持っています。

具体的には以下6つです。ここでは、これらについて順に解説をます。

  • 毒を持つ蝶
  • 毒を持つ蝶に擬態する蝶
  • 偽の頭部を持つ蝶
  • 中心をぼやかして胴体をわかりにくくする蝶
  • ジャノメを持つ蝶
  • 擬態(背景と同化)する蝶

それでは、1つずつ解説をしていきます。

毒を持つ蝶

胴体に毒を持つことで鳥に捕食されないようにする蝶が何種類かいます。例えばベニモンアゲハやウスバシロチョウです。また、スジグロカバマダラとカバマダラのように、お互いに毒を持ちつつ、相互に擬態させることで天敵への警戒心を強める種もいます。

毒を持つというのは直接的な手段であり、天敵から身を守るためには有効な手段だと考えられます。

毒を持つ蝶に擬態する蝶

毒を持つというのは直接的な手段で天敵から身を守るのに有効であると上では記載しました。ここで紹介するのは、そういった毒を持った蝶の力を借りて自分の身を守る蝶です。具体的には、毒を持つ蝶に擬態することで、鳥に捕食されるのを防ぐ蝶です。

例えば、以下のように、ベニモンアゲハ(有毒)に擬態するシロオビアゲハや、ジャコウアゲハ(有毒)に擬態するオナガアゲハ、カバマダラ(有毒)に擬態するツマグロヒョウモンなどが代表例です。

偽の頭部を持つ蝶

一見頭部に見える、つまり偽の頭部を持つことで、鳥にそちらを攻撃させ、実際の胴体を守るという捨て身の手段をとる蝶もいます。具体的には尾を持つ蝶です。以下写真をご覧ください。

例えば左上のウラナミアカシジミは、胴体とは反対側に尾と黒い点の模様があり、一見こちらが頭部に見えます。鳥はこの部分を頭部と勘違いして攻撃します。尾の部分が鳥に食べられた跡がある蝶をよく見かけますが、それは防衛手段がよく機能している証拠と言えます。

中心をぼやかして胴体をわかりにくくする蝶

翅の先端を目立つ模様にして、胴体部分、つまり翅の付け根部分の模様をぼやっとさせて、胴体を守る蝶もいます。例えば、コヒオドシやアカタテハ、イチモンジチョウ、キベリタテハ等です。これらの蝶は、翅の先端を鳥に攻撃させ、胴体を守っています。

ルリタテハの事例

青色の部分を食べられたルリタテハ

このルリタテハは長野県白馬村で観察しました。ルリタテハは翅の外縁に青色の線がある蝶です。胴体やその周辺は黒っぽい色であまり目ちませんが、外縁はこの青色がとてもよく目立ちます。おそらくこのルリタテハを攻撃した鳥はこの青色の線に惑わされてしまったのだと思われます。青色の線の部分が綺麗に食べられていますが、胴体は無事でルリタテハは元気に飛び回っていました。

ジャノメを持つ蝶

こちらもある意味捨て身の手段ですが、ジャノメを持つことで鳥にジャノメを攻撃させ、実際の胴体を守る蝶がいます。ジャノメチョウ科は基本的にこの手段をとっていますが、それ以外にもクジャクチョウなどは同じように偽の目を持っています。これらの蝶は、ジャノメの部分だけ鳥に食いちぎられている姿をよく目にします。

擬態(背景と同化)する蝶

この手段は一般的にイメージされやすい”擬態”による防衛です。背景に似せることで鳥に気付かれにくくする手段です。例えば、枯葉に擬態するコノハチョウ、石に擬態するイシガケチョウ、木の幹に擬態するエルタテハなどが代表例です。

まとめ

この記事では、蝶の天敵である鳥から身を守るための以下6点について解説をしました。これらのことを知ると、より蝶の観察が楽しくなるのではないかと感じています。是非こういった観点からも蝶を見ていただければと思います。

  • 毒を持つ蝶
  • 毒を持つ蝶に擬態する蝶
  • 偽の頭部を持つ蝶
  • 中心をぼやかして胴体をわかりにくくする蝶
  • ジャノメを持つ蝶
  • 擬態(背景と同化)する蝶

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