日本には見た目がよく似た蝶が生息しており、蝶を観察していると同定に迷うことが多くあります。このブログでは、よく似た蝶の違いや見分け方を解説しています。
この記事では、ヒカゲチョウとクロヒカゲとクロヒカゲモドキの違い・見分け方を解説します。
ヒカゲチョウとクロヒカゲとクロヒカゲモドキの見分け方
ヒカゲチョウ
ヒカゲチョウの特徴は3点あります。
1点目は、前翅の眼状紋が1~2個あることです。クロヒカゲモドキは明確に3個あることで見分けることができます。
2点目は、後翅の暗色条の曲がりが弱いことです。クロヒカゲはこの暗色条が強く曲がります。
3点目は、前翅の暗色短条が1本であることです。クロヒカゲはこれが2本になります。
クロヒカゲ
クロヒカゲの特徴は3点あります。
1点目は、前翅の眼状紋が1~2個あることです。クロヒカゲモドキは明確に3個あることで見分けることができます。
2点目は、後翅の暗色条の曲がりが強いことです。ヒカゲチョウやクロヒカゲモドキはこの暗色条の曲がりが弱くなります。
3点目は、前翅の暗色短条が2本であることです。ヒカゲチョウやクロヒカゲモドキはこれが1本になります。
クロヒカゲモドキ
クロヒカゲモドキの特徴は3点あります。
1点目は、前翅の眼状紋が3個あることです。ヒカゲチョウやクロヒカゲは1~2個なので見分けることができます。
2点目は、後翅の暗色条の曲がりが弱いことです。クロヒカゲはこの暗色条の曲がりが強くなります。
3点目は、前翅の暗色短条が1本であることです。クロヒカゲはこれが2本になります。
ヒカゲチョウの紹介
分布 | 本州、四国、九州 |
生息環境 | 平地、低山地 |
発生回数 | 年2回程度 |
成虫が見られる時期 | 6月から9月頃まで |
越冬の状態 | 幼虫で越冬 |
食草 | メダケ、アズマネザサなど |
亜種 | なし |
ヒカゲチョウは本州から九州まで広く分布し、平地や低山地に生息する蝶です。個体数は多く、都市近郊でも普通に見られます。成虫は年2回の発生で、第1化は6月頃から発生し、第2化は8月下旬頃から発生します。活動時間は主に夕方で、夕暮れ時に活発に活動します。樹液や獣糞に集まります。
見た目はクロヒカゲやクロヒカゲモドキと似ており、クロヒカゲとは生息地が重なることがよくありますが、クロヒカゲと比較するとヒカゲチョウはやや明るい環境を好みます。
クロヒカゲの紹介
分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
生息環境 | 平地、山地 |
発生回数 | 年3回程度 |
成虫が見られる時期 | 5月から10月頃まで |
越冬の状態 | 幼虫で越冬 |
食草 | メダケ、アズマネザサ、ヤダケなど |
亜種 | 名義タイプ亜種、御蔵島亜種 |
クロヒカゲは北海道から九州まで広く日本に分布する蝶で、平地から山地まで色々な環境に生息しています。個体数は多く、薄暗い林道を歩くとクロヒカゲに出会う機会が多くあります。成虫は年3回程度の発生で、第1化は5月頃から始まります。
クロヒカゲモドキの紹介
分布 | 本州・四国・九州 |
生息環境 | 山地 |
発生回数 | 年1回 |
成虫が見られる時期 | 7月から8月頃 |
越冬の状態 | 幼虫で越冬 |
食草 | アシボソなど |
亜種 | なし |
クロヒカゲモドキは年1回の発生で、早ければ6月下旬ごろから見られ、主に7月から8月に見られる蝶です。ヒカゲチョウやクロヒカゲと似ますが、これらの蝶は普通種であるのに対して、クロヒカゲモドキは全国的に減少が著しく、出会うことは稀な蝶です。
成虫は樹液や地面に落ちた果物などをエサとします。地面で吸水する姿も見かけます。日中の暑い時間帯は活動を行わず、夕方ごろに最も活発に活動します。
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