蝶の中でミヤマカラスアゲハが1番好き!という人も多いと思います。ミヤマカラスアゲハは漆黒の翅に青緑色が輝く非常に美しい蝶です。私も昔はミヤマカラスアゲハが最も好きな蝶でした。今でも好きな蝶の1種です。
この記事では、これまでに観察したミヤマカラスアゲハの写真を紹介します。
ミヤマカラスアゲハの紹介
分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
生息環境 | 山地 |
発生回数 | 年3回程度 |
成虫が見られる時期 | 5月から8月頃 |
越冬の状態 | 蛹で越冬 |
食草 | カラスザンショウなどのミカン科 |
亜種 | なし |
ミヤマカラスアゲハは珍しい?
ミヤマカラスアゲハは北海道では平地にも生息しますが、本州以南では主に山地に生息する蝶で、標高が高くなるに従いカラスアゲハよりも生息数が多くなります。
そのため、平地ではなかなか観察できない珍しい蝶です。一方で、山地では比較的生息数が多く、標高が高くなるとミヤマカラスアゲハが多く観察できるようになります。
- 北海道ではミヤマカラスアゲハは平地にも生息していて特段珍しくない
- 本州以南では、平地には生息数が少なく珍しい。
- 本州以南の山地には生息数が多く、それほど珍しくない。
ミヤマカラスアゲハとカラスアゲハの違い・見分け方
カラスアゲハとミヤマカラスアゲハの違いや見分け方を解説します。
【違い①】前翅の白帯の幅
カラスアゲハは前翅の白帯が等幅でなく、上に向かって広がっていく傾向があります。一方で、ミヤマカラスアゲハはこの白帯が概ね等幅になります。
【違い②】後翅の白帯の有無
また、ミヤマカラスアゲハは後翅に白帯があるのに対して、カラスアゲハはこれがありません。後翅の白帯があればミヤマカラスアゲハだと判断できます。一方で、ミヤマカラスアゲハでも白帯が消失してしまっている個体があります。そのため白帯が無いからといってカラスアゲハと断定することはできません。
【違い③】表翅の輝き
ミヤマカラスアゲハはカラスアゲハと比較して表翅の輝きが強い特徴があります。
ミヤマカラスアゲハの生態~幼虫の食草(エサ)など~
最後に、ミヤマカラスアゲハの生態について紹介します。
分布
ミヤマカラスアゲハは北海道、本州、四国、九州に生息し、沖縄には生息しません。北海道などの寒冷地では平地でも観察できますが、関東から南の地域では基本的に山地に生息します。国外には、朝鮮半島やロシア、中国、台湾に生息しています。
生態
ミヤマカラスアゲハは4月頃から成虫が羽化しはじめ、春型は4~5月頃、夏型は7~8月頃に見られます。なお、北海道では春型は6~7月頃、夏型は7月~8月頃に見られます。基本的には年に2回発生します。
食草や幼虫
ミヤマカラスアゲハの食草はカラスザンショウなどのミカン科の植物です。
ミヤマカラスアゲハの写真集
ミヤマカラスアゲハは漢字で書くと「深山烏揚羽」となります。その名の通り、山地に生息する蝶ですので、普段の生活の中で観察する機会はそれほど多くない蝶です。以下では、これまでに観察したミヤマカラスアゲハを紹介します。
標本写真
↑夏型のミヤカマラスアゲハです。
↑左側が夏型のミヤマカラスアゲハ、右側が春型のミヤカマラスアゲハです。比較すると大きさの違いがよく分かります。また、翅の輝きも春型の方が強いのが分かります。
↑左側が翅の裏面、右側が翅の表面です。
埼玉県飯能市での生態写真
西武線の正丸駅から正丸峠に向かう途中でミヤマカラスアゲハに出会いました。飛翔中の写真でしたので、良い写真を残すことはできませんでしたが、ミヤマカラスアゲハの特徴である後翅の白帯が確認できる写真を残すことはできました。この場所は都心からもアクセスが比較的容易ですが、ミヤマカラスアゲハの生息数としてはそれほど多くはないと思われます。
山梨県忍野村・南アルプス市での生態写真
山梨県は多くの蝶が生息する県であり、ミヤマカラスアゲハも様々な場所で観察することができます。上の写真は忍野村で観察した個体で、下の写真は南アルプス市で観察した個体です。忍野村の個体は、ミヤマカラスアゲハの特徴である後翅の白帯がほぼ消えてしまっています。この様に、白帯が消えてしまっている個体は、カラスアゲハとの見分け方が難しくなります。
長野県白馬村での生態写真
白馬村でミヤマカラスアゲハを観察できました。この日は、タンポポで吸蜜する個体を観察できました。タンポポで吸蜜する姿を観察するのは初めてでした。春型のミヤマカラスアゲハであったため、小型で輝きの強い個体でした。
茨城県大子町での生態写真
茨城県大子町の公園でミヤマカラスアゲハを観察しました。ミヤマカラスアゲハは季節型があり、春に見られる個体(春型)と夏に見られる個体(夏型)では色合いや大きさが異なります。今回見たのは春型のミヤマカラスアゲハです。春型は夏型と比べて小型で、緑青色が鮮やかになる特徴があります。今回見た個体も非常に鮮やかでした。赤い花の蜜を吸うミヤマカラスアゲハの春型は、個人的に非常に好きなシーンです。
その後、公園内を歩いていると、ミヤマセセリやアカタテハ、ベニシジミにであることができました。全体的に観察できた蝶の種類・個体ともにあまり多くないのが残念でしたが、ミヤマカラスアゲハに出会えたので、行って良かったと感じました。
長い時間滞在しなかったので、この日に観察できたミヤマカラスアゲハは1頭だけでした。ですが、アゲハチョウ科は蝶道(同じルートを飛ぶ性質)を持っていて、この場所が蝶道になっている可能性もありますので、この場所にずっと滞在していると何頭かのミヤマカラスアゲハに出会うことができるかもしれません。
北海道釧路市・帯広市での生態写真
北海道はミヤマラスアゲハの多産地です。これまで北海道で何度かミヤマカラスアゲハを観察してきましたが、あまり良い写真を残すことはできていません。北海道に生息する春型のミヤマカラスアゲハは、全国に生息するミヤマカラスアゲハの中で最も輝きが強くて美しいと言われています。
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