モンキアゲハという名が示す通り、大きな黄色斑が後翅にあるのが特徴です。大型のアゲハチョウで黄色の紋があるため、インパクトのある見た目をしています。ナガサキアゲハの雌と見た目がよく似るため同定には注意が必要です。本州から沖縄にかけて生息し、関東以南ではそれほど珍しい蝶ではありません。
この記事では、これまでに観察したモンキアゲハの写真を紹介します。
モンキアゲハの紹介
分布 | 本州・四国・九州・沖縄 |
生息環境 | 平地・山地 |
発生回数 | 年3~5回程度 |
成虫が見られる時期 | 5月頃から8月頃まで |
越冬の状態 | 蛹で越冬 |
食草 | カラスザンショウやカラタチなどのミカン科の植物 |
亜種 | なし |
モンキアゲハという名が示す通り、大きな黄色斑が後翅にあるのが特徴です。関東地方以南の山地に多く生息しておりそれほど珍しい蝶ではありません。一方で、新潟県や宮城県などでも観察はできるものの分布は限られます。また、沖縄本島には生息していますが、八重山諸島では迷チョウとなります。山地の道路などでよく見かけることができ、チョウ道が最も明確に見られる種の1つです。
モンキアゲハは大型のアゲハチョウ科の蝶で、特に夏に成虫となる夏型のモンキアゲハは日本で最大級の大きさとなります。
モンキアゲハはナガサキアゲハの雌と見た目がよく似るため同定には注意が必要です。
日本蝶類図説(1904年の図鑑)に掲載されているモンキアゲハ
黒色の種なれど後翅中央に黄白色の紋列あるを以て容易に多種と區別し得べし。翅は一般に帯褐黒色なり。前翅脉間に黄金色の鱗粉微かに散布し、後翅中央に黄白色紋あり。其幅廣くして外邊不規則なり。肛角の赤色半月紋は微かにして尾は長からず。裏面は表面よりも色淡く、後翅の外縁に赤色の半月紋列あり。雌雄の差異著しからず。
●期節 五月ー八月
●産地 本島、四国、九州、琉球
●仔虫 緑色にして両側下部に淡紅色條あり。蛹は黄褐色にして甚しく曲がる。食草未詳(ムーア氏)
宮島幹之助(1904)『日本蝶類図説』.
モンキアゲハの見分け方
黒色系のアゲハチョウ科は、どれも見た目が見ているため、蝶に初めて興味を持った方は混乱しがちだと思います。ですが、それぞれの蝶の特徴と見分け方を押さえておけば、決して難しいことはありません。以下で見分け方を一覧で紹介しますので、迷ったときにはこれらの特徴を確認いただければと思います。
モンキアゲハはナガサキアゲハの雌に見た目がよく似ます。モンキアゲハが長い尾があるのに対して、ナガサキアゲハは尾が無いことから見分けることができます。また、ナガサキアゲハは翅の付け根に赤色の模様があるのに対して、モンキアゲハはその模様がありません。
黒いアゲハの違いや見分け方については以下の記事で詳細を解説していますので、こちらの記事も是非ご覧ください。
モンキアゲハの写真集
標本写真
モンキアゲハの標本の写真です。標本にすると、後翅の黄色の紋がはっきりとわかります。
茨城県つくば市での生態写真
茨城県にある筑波山の山頂でモンキアゲハを観察しました。筑波山では、モンキアゲハの他にも、オナガアゲハやジャコウアゲハ、クロアゲハ、ナガサキアゲハといった黒いアゲハチョウ科の蝶を観察することができます。その中で最も多く見られるのはジャコウアゲハです。モンキアゲハはそれほど生息数は多くない印象です。
埼玉県飯能市での生態写真
埼玉県飯能市には、モンキアゲハの他、オナガアゲハやクロアゲハ、カラスアゲハといった多くの黒いアゲハチョウ科の蝶が生息しています。モンキアゲハも比較的よく観察できます。モンキアゲハは赤色の花を好んで訪れ、蜜を吸う姿が良く観察できます。
三重県伊勢市での生態写真
三重県伊勢市の海岸ででモンキアゲハを観察しました。翅を広げて止まると黄色い紋が見えなくなり、クロアゲハと見間違えることもあります。
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