日本には見た目がよく似た蝶が生息しており、蝶を観察していると同定に迷うことが多くあります。このブログでは、よく似た蝶の違いや見分け方を解説しています。
この記事では、ムラサキシジミとムラサキツバメの違い・見分け方を解説します。
ムラサキシジミとムラサキツバメの違い・見分け方
ムラサキシジミとムラサキツバメは、後翅の尾状突起の有無で見分けることができます。ムラサキツバメは尾状突起があるのに対して、ムラサキシジミは尾状突起が無いことで見分けることができます。
ムラサキシジミ
この写真のように、後翅に尾状突起が無いのがムラサキシジミです。
ムラサキツバメ
この写真のように、後翅に尾状突起があるのがムラサキツバメです。
ムラサキシジミの紹介
分布 | 本州、四国、九州、沖縄 |
生息環境 | 平地、山地 |
発生回数 | 年3回程度 |
成虫が見られる時期 | 周年 |
越冬の状態 | 成虫で越冬 |
食草 | アラカシ、イチイガシなど |
亜種 | なし |
ムラサキシジミは翅の表面に美しい紫色があることが特徴です。年3回の発生で、成虫で越冬するため、1年を通して観察できる蝶です。冬季でも、暖かい日であれば冬眠から目覚めて飛び回ります。日中は積極的に活動はしませんが、夕方ごろになると活発に活動し、樹の周りを飛び回ります。越冬前は樹液を吸ったり、地面で吸水をしたりしますが、越冬後は花の蜜を吸うようになります。
分布は本州から沖縄までと広く、市街地近郊でも普通に見られる蝶です。東京都区内でも見られます。
似た主としては、ムラサキツバメとルーミスシジミがいます。ルーミスシジミは生息地が極めて局地的であることから、普段の生活の中で目にする機会は基本的にありません。ムラサキツバメは、以前は南方にのみ生息していましたが、近年は関東でも普通に見られるようになったので、種の同定には注意が必要です。
ムラサキツバメの紹介
分布 | 本州、四国、九州、沖縄 |
生息環境 | 平地 |
発生回数 | 年4回程度 |
成虫が見られる時期 | 周年 |
越冬の状態 | 成虫で越冬 |
食草 | マテバシイなど |
亜種 | なし |
ムラサキツバメは元々は南方系の蝶で、主に九州や四国に生息する蝶でした。しかし2000年代頃から生息地が北上し、急激に分布を広げました。現在では関東地方でも普通に見られるようになり、東京都内でも観察することができます。分布拡大の原因は、温暖化による自然分布拡大や、食樹の植樹、放チョウの可能性が考えられています。
日中はあまり積極的に活動せず、夕方ごろに活発に活動を行います。成虫で越冬するため、冬季でも暖かい日であれば冬眠から目覚めて活動を行います。
見た目が似ている種として、ルーミスシジミとムラサキシジミがいます。ルーミスシジミは生息地が極めて局地的であることから、普段の生活の中で目にする機会は基本的にありません。ムラサキシジミはムラサキツバメと生息地が重なることが多いため、種の同定には注意が必要です。
コメント