オナガアゲハという名が示す通り、オナガアゲハはクロアゲハと比較して、尾状突起が長いことが特徴です。北海道から九州まで広く日本に分布し、主に山地に生息する蝶です。他の多くのアゲハチョウ科の蝶と同様に、幼虫はミカン科の植物を食べて成長します。
この記事では、これまでに観察したオナガアゲハの写真を紹介します。
オナガアゲハの紹介
分布 | 北海道・本州・四国・九州 |
生息環境 | 平地、山地 |
発生回数 | 年2回 |
成虫が見られる時期 | 4月頃から8月頃まで |
越冬の状態 | 蛹で越冬 |
食草 | コクサギやカラタチなどのミカン科の植物 |
亜種 | なし |
オナガアゲハという名が示す通り、オナガアゲハはクロアゲハと比較して、尾状突起が長いことが特徴です。季節による違いもあり、他の多くのアゲハチョウ科の蝶と同様に、一般的に春型は小型で、夏型は大型になる特徴があります。本州の中部よりも北側では平地にも生息しますが、それよりも南側では基本的に山地に生息します。
オナガアゲハは特段珍しい蝶というわけではありませんが、クロアゲハやカラスアゲハなどと比較すると観察する機会が少ない蝶です。他の黒色系のアゲハチョウ科の蝶と同様に、赤色の花をよく訪れます。
日本蝶類図説(1904年の図鑑)に掲載されているオナガアゲハ
前種(クロアゲハ)に類し黒色なれど翅狭長なり。前翅表面は灰黒色にして脉間の黒條細し。後翅外縁の鋸歯深くして翅の基部色濃く、尾は頗る狭長なり。外縁に暗赤色の半月紋列あり。肛角紋は環状をなす。裏面は表面よりも色淡し。雌は雄よりも翅廣く、尾短し、前種(クロアゲハ)の如く雄には後翅前縁に蒼白色の帯あれど雌には之を缺く。多く山地に飛翔し、長き後翅と尾とに花粉を荷ひ百合科の花の受粉を助く。
●期節 五月ー八月
●産地 北海道、本島、四国、九州(山地)
●仔虫 食草等未詳
宮島幹之助(1904)『日本蝶類図説』.
オナガアゲハの見分け方
黒色系のアゲハチョウ科は、どれも見た目が見ているため、蝶に初めて興味を持った方は混乱しがちだと思います。ですが、それぞれの蝶の特徴と見分け方を押さえておけば、決して難しいことはありません。以下で見分け方を一覧で紹介しますので、迷ったときにはこれらの特徴を確認いただければと思います。
オナガアゲハはクロアゲハにも似ますが、クロアゲハは尾が短いのに対して、オナガアゲハはその名の通り尾が長いのが特徴です。生息地については、クロアゲハが都会にも普通に見られるのにたいして、オナガアゲハは主に山地に生息します。
黒いアゲハの違いや見分け方については以下の記事で詳細を解説していますので、こちらの記事も是非ご覧ください。
オナガアゲハの写真集
茨城県つくば市での生態写真
茨城県にある筑波山でオナガアゲハの生息を確認しました。筑波山では山麓から山頂にかけて広く分布しています。筑波山はジャコウアゲハが多く生息しており、ジャコウアゲハと比べると数は少ないですが、比較的安定して生息しています。
埼玉県飯能市での生態写真
埼玉県飯能市はカラスアゲハやモンキアゲハ、クロアゲハなどの黒いアゲハチョウが多く生息しており、オナガアゲハも生息しています。オナガアゲハをはじめとした黒いアゲハは、赤色の花を好んで訪れる特徴があり、赤色のツツジなどに吸蜜に来るオナガアゲハなどを多く観察しました。
東京都八王子市での生態写真
オナガアゲハは東京都にも生息しています。八王子市は東京都の中ではまだ自然が残されており、モンキアゲハやオナガアゲハなどを観察することができます。
長野県飯田市での生態写真
長野県飯田市で多くのオナガアゲハを観察しました。アゲハチョウ科の蝶の中で最も多く観察できたのがオナガアゲハでした。
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