オオクワガタを飼育してみたい。飼育するために何か特別なことが必要なのでしょうか?
オオクワガタは日本のクワガタ虫の中で最も人気のある種で、飼育も比較的簡単な部類のクワガタです。
この記事では、オオクワガタの成虫の飼育方法について解説をします。この記事を最後までお読みいただけば、その日からオオクワガタを飼育できるようになります。
オオクワガタの紹介
オオクワガタの生息環境
オオクワガタは”大型のクワガタ”という意味で、飼育下では90mmを越える大きさの個体もおり、日本では最大級のクワガタです。
日本国内ではほぼ全域に生息していますが、生息地はブナの原生林やクヌギの台木に集中していて、非常に局地的な分布となります。
オオクワガタは他のクワガタと同様に、クヌギやコナラなどの樹液をエサとします。活動時間は夜間ですが、警戒心が非常に強くすぐに隠れてしまうため、野生のオオクワガタを観察するハードルは非常に高いと言えます。
オオクワガタの寿命
オオクワガタは寿命が長いことが特徴です。通常は越冬をして2~3年程度は生きます。飼育環境が良ければ4~5年生き延びることもあります。飼育も比較的容易な部類なので、飼育初心者にもオススメのクワガタと言えます。
オオクワガタの成虫の飼い方・育て方
オオクワガタはクワガタの中で飼育がしやすい種ですので、初心者向きのクワガタと言えます。オオクワガタを飼育するためには、まずは飼育セットを組みましょう。
飼育セットの作り方
オオクワガタを産卵させることを目的としない場合、飼育セットはカブトムシと同じで問題ありません。具体的には以下3点です。
- 飼育ケースにマット(土)を入れる。
- 転倒した時に起き上がれるように、朽ち木・止まり木を入れる。
- エサとなる昆虫ゼリーをセットする。
温度と保湿管理
オオクワガタの飼育セットが準備できれば、あとは適切に温度と湿度を管理すればオオクワガタは長生きをします。
オオクワガタの適温は20℃から28℃です。
オオクワガタは高温にも強いクワガタですが、30℃以上の飼育環境下ではオオクワガタが弱ってしまう恐れがありますので、温度管理は適切に行いましょう。室温が30℃以上になってしまう場合の温度管理の方法は次の2つがあります。
また、オオクワガタは他のクワガタと同様に乾燥に弱い種です。マットは霧吹きなどで保湿をするようにしましょう。保湿の目安としては、マットを握った時に団子になる程度です。加湿のし過ぎもオオクワガタを弱らせる原因になりますので、保湿管理は適切に行いましょう。
オオクワガタの越冬
オオクワガタは飼育下では越冬して4~5年生きることができます。オオクワガタは気温が10度前後で越冬しますので、越冬させる場合は5℃~10度程度で管理すると良いでしょう。越冬する時の留意点は以下の通りです。
- 暖かい日は越冬から目を覚ましてエサを食べることがあります。また越冬前後も昆虫ゼリーを食べます。エサとなる昆虫ゼリーは暖かい日や越冬前後は準備しておくようにしましょう。
- 越冬中も乾燥すると死んでしまうことがあります。越冬中であっても加湿は適切に行いましょう。
暖かい部屋で年中飼育すれば、越冬せずに冬を過ごすことができますが、その分寿命は縮まります。
オオクワガタの成虫を育てるために必要なもの
【必要なもの①】飼育ケース(虫かご)
オオクワガタは大型のクワガタであるため、飼育ケースは”中”以上を用意しましょう。オスを同じケースに複数頭入れて育てると喧嘩をして寿命を縮めてしまいますので、オスは必ず1ケースで1匹としましょう。
コバエが気になる人は、コバエを防ぐことができる飼育ケースを購入するようにしましょう。
【必要なもの②】マット
クワガタを飼育するための専用マットをホームセンターや通販などで購入することができます。飼育マットは必須のアイテムですので、飼育前に必ず購入しておくようにしましょう。飼育マットには様々な種類があるので、目的にあったマットを選ぶようにしましょう。ポイントは以下の通りです。
- オオクワガタを産卵させて幼虫を育てたいと考えている場合は、クヌギなどでできた産卵・幼虫飼育用のマットを選ぶようにしましょう
- 産卵を考えておらず、ダニなどの発生を防ぎたいと考えている場合は、ヒノキなどの針葉樹でできたダニやコバエなどの発生を抑えるマットを選ぶようにしましょう。
【必要なもの③】朽ち木・止まり木・エサ皿
クワガタやカブトムシは転倒してしまうと、自力で起き上がることができません。そのため、起き上がる時に掴まれる朽ち木などを置いておくことが必要です。
また、エサ皿があれば、ゼリーが周りに飛び散り、マットが汚れるのを防ぐことができます。エサ皿は必須ではありませんが、あると便利なアイテムです。
【必要なもの④】昆虫ゼリー
オオクワガタは昆虫ゼリーで育てることができます。昆虫ゼリーの他、バナナやリンゴなどで育てることもできますが、水分量の多いスイカやメロンなどは体調を崩すおそれがありますので与えないようにしましょう。昆虫ゼリーは3日に1回は交換するようにしましょう。産卵をさせる場合はプロゼリーなどの高タンパクのゼリーがオススメです。
【必要なもの⑤】虫よけシート
コバエの侵入を防止する飼育ケースを使用している場合は不要ですが、普通の飼育ケースを使用している場合で、コバエの侵入を防止したい場合は、虫よけシートを使うことをオススメします。飼育ケースの蓋にかさみ込むことで、コバエの侵入を防止することができます。虫よけシートには以下のメリットがあります。
- コバエの侵入を防止できる
- 昆虫マットの乾燥を防ぐことができる
- 臭いを防ぐことができる
オオクワガタの入手方法
オオクワガタの成虫を入手する方法は主に以下3つがあります。
- 野生のオオクワガタを捕まえる方法
- ホームセンターなどで購入する方法
- 累代飼育する方法
野生のオオクワガタを捕まえる
オオクワガタは日本全国に分布していますが、分布が局地的で、性格が臆病であるため野生のオオクワガタを捕まえるのは容易ではありません。
初心者の方は、野生のオオクワガタを捕まえるのではなく、まずはホームセンターや通販等で購入することをオススメします。
ホームセンターなどで購入
ホームセンターや通販などで、数千円程度でオオクワガタを購入することができます。野生の採集が難しい人は、ホームセンターや通販での購入を検討してみましょう。
累代飼育する
オオクワガタを産卵させて幼虫を育て、次世代のオオクワガタの成虫を育てることを累代飼育と言います。オオクワガタは他のクワガタと比較して、産卵させるのが簡単ですので、累代飼育が上手くできれば、オオクワガタをどんどん増やしていくことができます。
オオクワガタの産卵方法~産卵セットの組み方~
次に交尾済みのオオクワガタを産卵させる方法を紹介します。
産卵させる時期
産卵はいつでも可能というわけではありません。産卵には温度が重要です。気温が20℃から28℃で安定している時期にオオクワガタはよく産卵します。
気温が20℃を下回るようになると、オオクワガタの活動が低下します。また、オオクワガタは30℃以上の高温には強くありません。
オオクワガタの産卵セットの組み方
交尾を終えたオオクワガタは、産卵セットを組んでその中に入れると卵を産み始めます。まずは産卵セットの組み方を解説します。
オオクワガタを産卵させるためには、次の手順で産卵セットを組みます。
産卵セットを組む具体的な手順
以下では、それぞれのステップに分けて具体的に解説をします。
孵化後の幼虫の飼い方・育て方
割り出し後の幼虫の管理
割り出して取り出したオオクワガタの幼虫は、以下の2つの方法で成長させることができます。
- 菌糸ビンで飼育する。
- 発酵マットで飼育する。
菌糸ビンで飼育する
菌糸ビンとは細かく砕いたクヌギなどの広葉樹のマットにキノコの菌を繁殖させたものです。菌糸ビンは通販などで購入することができます。オオクワガタの幼虫は、菌糸を食べて成長します。2~3か月で交換し、蛹になるのを待ちます。
発酵マットで飼育する
菌糸ビンを使わなくても、クヌギやコナラなどの広葉樹の発酵マットで飼育することもできます。ホームセンターや通販などで、クワガタの幼虫の飼育用のマットを購入すれば、問題なく育ちます。
温度管理と湿度管理
温度管理は非常に重要です。30℃を越えるような状態は避けて、25℃~28℃をキープするようにしましょう。30℃を越える環境に置いておくと死んでしまうリスクが高まります。
また、マットは乾燥しないよう、定期的に霧吹きを吹きかけるなど、マットは適度な湿度を保つようにしましょう。湿りすぎていると、カビが生えることがありますので、過度に湿度を高めるのも避けるようにしましょう。
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