日本には見た目がよく似た蝶が生息しており、蝶を観察していると同定に迷うことが多くあります。このブログでは、よく似た蝶の違いや見分け方を解説しています。
この記事では、サカハチチョウとアカマダラの違い・見分け方を解説します。
サカハチチョウとアカマダラの見分け方
見た目の違い
サカハチチョウの夏型とアカマダラの夏型は見た目が非常に良く似ます。ここでは両種の夏型との見た目の違いを解説します。
サカハチチョウ夏型とアカマダラ夏型の見分け方は2点あります。
1点目は、サカハチチョウは翅表の白斑が並行にならない点です。アカマダラ夏型は、この白斑が並行になります。
2点目は、サカハチチョウは翅表の白斑が翅の縁まで達っさない点です。アカマダラ夏型は、この白斑が翅の縁まで達します。
生息地の違い
サカハチチョウとアカマダラは見た目以外にも、生息地に違いがあります。
アカマダラは日本では北海道にのみ生息します。一方で、サカハチチョウは北海道、本州、四国、九州に生息します。
そのため、北海道以外の地域であれば、迷うことなくサカハチチョウと断定することができます。
サカハチチョウの紹介
分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
生息環境 | 山地 |
発生回数 | 年2回 |
成虫が見られる時期 | 5月頃と7~8月頃 |
越冬の状態 | 蛹で越冬 |
食草 | コアカソなど |
亜種 | なし |
サカハチチョウは5月頃(春型)と7月頃(夏型)の2回発生します。春型と夏型は模様が異なります。山地に生息する蝶で、平地で見られることは基本的にありません。山地では比較的良く見られます。
北海道ではサカハチチョウによく似たアカマダラが生息していますので、同定には注意が必要です。北海道ではアカマダラよりも若干発生時期が遅いです。
アカマダラの紹介
分布 | 北海道 |
生息環境 | 平地、山地 |
発生回数 | 年2回 |
成虫が見られる時期 | 5月から8月頃 |
越冬の状態 | 蛹で越冬 |
食草 | エゾイラクサ、ホソバイラクサなど |
亜種 | なし |
アカマダラは日本では北海道にのみ生息する蝶で、平地から山地にかけて普通に見られます。成虫は年2回発生し、第1化(春型)は5月頃に発生し、第2化(夏型)は7月頃に発生します。
春型と夏型で模様が大きく異なり別種と間違えられることがあります。春型は翅表に赤斑と黒斑のまだら模様になる一方、夏型は黒褐色に白帯の模様になります。
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