次の疑問を感じたことがある人は是非この記事をご覧ください。
- 近所でシジミチョウを見つけたけど種類がわからない。
- 図鑑を見ても、シジミチョウはどれも似ていて違いがわからない。
- シジミチョウの見分け方を教えてほしい。
シジミチョウはどれも見た目がよく似ていて、慣れていないと見分けるのが非常に難しいです。この記事では、慣れていなくてもシジミチョウを見分けるポイントを解説します。
身近な場所に生息するシジミチョウの種類
日本には80種類を超えるシジミチョウが生息していますが、普段の生活の中でよく見るシジミチョウはそれほど多くありません。
本州での身近なシジミチョウとしては、ヤマトシジミ、ツバメシジミ、ルリシジミ、ベニシジミ、ウラナミシジミの5種類がいます。その5種類の写真は以下になります。
ヤマトシジミの紹介
分布 | 本州、四国、九州、沖縄 |
生息環境 | 平地 |
発生回数 | 年5~6回程度 |
成虫が見られる時期 | 4月から11月頃 |
越冬の状態 | 幼虫で越冬 |
食草 | カタバミなど |
亜種 | 本土亜種、南西諸島亜種 |
ヤマトシジミは現代の社会において、最も繁栄している種と言っても過言ではありません。都市部であっても、公園や民家に普通に生息していて、人間社会の中に上手く入り込んでいる蝶です。幼虫は雑草であるカタバミを食草とします。平地では普通に見られますが、山地ではあまり見られません。
北海道には生息しませんが、東北地方から沖縄まで広く分布しています。成虫は年に5~6回程度発生し、4月から11月頃と長い期間成虫が観察できます。
オスは翅の表面が青色に輝くのに対して、メスはグレーであることからオスとメスを見分けることができます。
ツバメシジミの紹介
分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
生息環境 | 平地 |
発生回数 | 年4~6回程度 |
成虫が見られる時期 | 4月から10月頃 |
越冬の状態 | 幼虫で越冬 |
食草 | レンゲソウ、シロツメクサなど |
亜種 | なし |
ツバメシジミはヤマトシジミと並んで都市部で最も普通に見られるシジミチョウ科の蝶です。東京都心の公園や民家でも普通に見られます。成虫が見られる時期は4月から10月頃と長いため、普段の生活の中でも見る機会の多い蝶です。
ヤマトシジミは分布が本州から沖縄であり北海道には生息していませんが、ツバメシジミは分布が北海道から九州までであり、北海道には生息していますが、逆に沖縄には生息していません。また、ヤマトシジミの幼虫はカタバミ科の植物を食べるのに対して、ツバメシジミの幼虫はシロツメクサなどのマメ科の植物を食べるという違いもあります。成虫の違いとしては、ツバメシジミは橙斑があることで容易にヤマトシジミと見分けることができます。
ルリシジミの紹介
分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
生息環境 | 平地、山地 |
発生回数 | 年4回程度 |
成虫が見られる時期 | 3月から10月頃 |
越冬の状態 | 蛹で越冬 |
食草 | ヤマハギ、フジ、クララなど |
亜種 | なし |
ルリシジミは北海道から九州まで分布が広く、平地にも生息しており、個体数も多いことから普段の生活の中で普通に見ることができる蝶です。成虫は年に4回程度発生し、3月から10月頃まで長い期間観察できます。日中に木の上や草原などを活発に飛び回り、花の蜜を吸う姿や、地面から吸水する姿を良く目撃します。
身近に見られるシジミチョウ科の蝶として、ヤマトシジミやツバメシジミ、ルリシジミがいますが、ヤマトシジミやツバメシジミと比べると若干大型で、飛翔も若干俊敏であることが特徴です。
ルリシジミの幼虫はヤマハギやフジ、クララなどのマメ科の植物のほか、ミズキ科の植物、タデ科の植物、バラ科の植物、シソ科の植物など、多くの植物を食べます。
ベニシジミの紹介
分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
生息環境 | 平地 |
発生回数 | 年3回程度 |
成虫が見られる時期 | 3月から11月頃 |
越冬の状態 | 幼虫で越冬 |
食草 | スイバ、ギシギシなど |
亜種 | なし |
ベニシジミは最も普通に見られる蝶の1種で、北海道から九州の平地に生息します。都市近郊の公園や民家でも見られます。成虫は年に複数回発生し、北海道では年2~3回、九州の暖地では年4~5回発生します。
飛び方は俊敏ですが、下草によく止まります。また、花の蜜を吸う姿も良く見られます。
ウラナミシジミの紹介
分布 | 北海道、本州、四国、九州、沖縄 |
生息環境 | 平地、山地 |
発生回数 | 年4回程度 |
成虫が見られる時期 | 周年 |
越冬の状態 | 周年で発生 |
食草 | エンドウ、ダイズ、インゲンなど |
亜種 | なし |
ウラナミシジミは北海道から沖縄まで日本全国で観察できる蝶ですが、越冬できる範囲は限られており、沖縄や九州南部、四国南部、本州南部のみで越冬できます。それ以外の地域まで分布を拡大した個体は、越冬できずに死んでしまいます。
春から秋にかけて発生を繰り返しながら生息地域を広げていき、8月下旬頃からは急激に個体数が増加します。東京都近郊でも8月下旬頃から観察できるようになります。
ウラナミシジミの幼虫はエンドウやダイズ、インゲンなどのマメ科の植物を食べます。飛翔能力が高く、俊敏に飛び、花の蜜をよく吸います。地面から吸水する姿も良く見られます。
身近に生息するシジミチョウの見分け方
ところで、上で紹介した5種類の見た目の違いはわかりますか?
ベニシジミやウラナミシジミはわかるけど、ヤマトシジミとツバメシジミとルリシジミは見分けるのが難しい、、、
同じように感じる人は多いと思います。そのため、以下ではヤマトシジミとツバメシジミ、ルリシジミの違い・見分け方を解説します。
ヤマトシジミの見分け方
ヤマトシジミは日本で最もポピュラーなシジミチョウです。東北から沖縄まで広く分布しており、都会の公園などでも普通に見えることができる蝶です。主に平地に生息しています。
ヤマトシジミの見分け方のポイントは以下の通りです。
- 前の翅の付け根部分(写真①箇所)に黒い点があります。
- 後ろ翅の3つの点(写真②箇所)が一直線上に並びます。
- 後ろ翅(写真③箇所)にオレンジの模様はありません。
この3点の中で最も押さえておくべきポイントは、「②3点が一直線上となる」です。次に紹介するツバメシジミやルリシジミは、この3点が一直線上となりません。また蝶がとまった時に、この3点はよく見えますので、このポイントを押さえておけばヤマトシジミを見分けることができます。
ツバメシジミの見分け方
ツバメシジミはほぼ日本全国に生息する蝶で、ヤマトシジミほどではないものの、都会の公園などでも見ることができます。平地だけでなく山地にも生息しています。
ツバメシジミを見分けるポイントは以下の通りです。
- 前の翅の付け根部分(写真①箇所)に黒い点がありません。
- 後ろ翅の3つの点(写真②箇所)が一直線上となりません。
- 後ろ翅(写真③箇所)にオレンジの模様があります。
この3点の中で最も押さえておくべきポイントは、「③オレンジ色の模様がある」です。他で紹介しているヤマトシジミやルリシジミは、このオレンジ模様がありませんので、オレンジ模様があればツバメシジミとわかります。
ルリシジミの見分け方
ルリシジミはほぼ日本全国に生息する蝶で、平地から山地まで様々な環境に生息します。ヤマトシジミやツバメシジミよりも若干大型のシジミチョウであるため、大きさである程度推定することもできます。
ルリシジミを見分けるポイントは以下の通りです。
- 前の翅の付け根部分(写真①箇所)に黒い点がありません。
- 後ろ翅の3つの点(写真②箇所)が一直線上となりません。
- 後ろ翅(写真③箇所)にオレンジの模様がありません。
この3点の中で押さえておくべきポイントは、「②3点が一直線上とならない」ことと「③オレンジ色の模様がない」です。ヤマトシジミは②箇所の3点が一直線上になりますし、ツバメシジミは③箇所がオレンジ色となりますので、この点で見分けることが可能です。
見分け方まとめ
最後にこの記事で紹介したヤマトシジミとツバメシジミ、ルリシジミの3種の見分け方をまとめます。
- ②の箇所の3点が一直線上となる⇒ヤマトシジミ
- ③の箇所にオレンジ色の模様がある⇒ツバメシジミ
- 上記以外⇒ルリシジミ
見分け方のポイントは分かりましたでしょうか?この点を押さえて、身近なシジミチョウを観察してみて下さい。きっと見分けることができます。
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