シジミチョウの幼虫を育ててみたい
そう思っている方は是非この記事をご覧ください。
この記事では、日本のほぼ全国で見られるヤマトシジミという蝶を例に、実際の幼虫の飼育記録を基にシジミチョウの幼虫の育て方を解説します。
ヤマトシジミってどんな蝶?
分布 | 本州、四国、九州、沖縄 |
生息環境 | 平地 |
発生回数 | 年5~6回程度 |
成虫が見られる時期 | 4月から11月頃 |
越冬の状態 | 幼虫で越冬 |
食草 | カタバミなど |
亜種 | 本土亜種、南西諸島亜種 |
ヤマトシジミは現代の社会において、最も繁栄している種と言っても過言ではありません。都市部であっても、公園や民家に普通に生息していて、人間社会の中に上手く入り込んでいる蝶です。幼虫は雑草であるカタバミを食草とします。平地では普通に見られますが、山地ではあまり見られません。
北海道には生息しませんが、東北地方から沖縄まで広く分布しています。成虫は年に5~6回程度発生し、4月から11月頃と長い期間成虫が観察できます。
オスは翅の表面が青色に輝くのに対して、メスはグレーであることからオスとメスを見分けることができます。
ヤマトシジミの幼虫の育て方
ヤマトシジミの幼虫を育てるためには、幼虫が食べる葉っぱを知っておくことが必要です。
ヤマトシジミの幼虫はカタバミという葉を食べます。
カタバミの葉をよく観察すると、ヤマトシジミの卵や幼虫が見つかることがあります。卵や幼虫を見つけたら、その後はカタバミを欠かさないように与えれば幼虫は大きくなっていきます。
ヤマトシジミの幼虫は基本的に3回脱皮をして4齢幼虫となったあと蛹になります。ただし、越冬する幼虫は4回脱皮をして5齢幼虫となることが多いです。
ヤマトシジミの実際の飼育記録
ヤマトシジミの幼虫は、雑草であるカタバミという植物の葉を食べます。
今回は、ヤマトシジミの♀とカタバミを虫かごに入れて、産卵させることとしました。
カタバミの葉っぱだけを切って入れておくと、すぐに枯れてしまいますので、今回はビンに水を入れて、根っこごと抜いてきたカタバミを虫かごに入れました。こうしておくと、長い間枯れることなく状態を保つことができます。
ヤマトシジミの卵
その結果、大量の卵が産卵されていました。
以下では、このヤマトシジミの卵の飼育記録を紹介します。
下の写真は産卵直前のヤマトシジミの卵です。産卵直後と見た目はほとんど変わりません。
ヤマトシジミの幼虫
下の写真は孵化直後のヤマトシジミの幼虫です。孵化直後は1mm程度で非常に小さく、肉眼で見るのも大変なほど小さい幼虫です。
幼虫が小さいうちは、葉の葉面だけを食べます。透明の薄皮が残る形となります。
下の写真は孵化して2日後の幼虫です。少し大きくなりましたが、まだまだ小さい幼虫です。
糞も沢山するようになります。
脱皮を確認できたわけではありませんが、見た目に少し変化がありましたので、おそらく2齢幼虫になったと思われます。
これぐらいの大きさの幼虫になると、葉の表面だけではなく、葉の端部から葉を食べられるようになります。
孵化して15日後のヤマトシジミの幼虫です。見た目はかなり大きくなり、7mm程度となりました。3齢幼虫と思われます。これぐらいの大きさになると、見失うことも少なくなってきました。
孵化して23日が経過して、ヤマトシジミが前蛹になりました。まもなく蛹となります。
ヤマトシジミの蛹
孵化して25日目でヤマトシジミが蛹となりました。蛹になると黒い模様が現れます。大きさは10mm程度です。
羽化が近くなってきて、蛹が黒くなってきました。まもなく羽化します。
ついにヤマトシジミが羽化して成虫となりました。羽化も成功し、非常に綺麗なヤマトシジミです。
最後に
シジミチョウの幼虫は飼育するのが楽な面と難しい面があります。
楽な面は、幼虫が小型であるため、葉っぱを食べる量が少なく、エサの交換頻度が少ないことです。例えばアゲハチョウの幼虫は大きくなるため、食べる量が多く、エサの交換を頻繁に行わなければいけないため大変です。
一方で、シジミチョウ科の幼虫の飼育の難しい面は、幼虫が小さいためすぐに見失ってしまうことです。私も飼育している中で、どこにいったのかわからなくなることがよくありました。幼虫の大きさが数ミリ程度で、体の色が葉っぱと同じような色なので、よく見失ってしまいます。
以上、シジミチョウの幼虫を飼育してみたいと考えている人の参考になれば幸いです。
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