日本には見た目がよく似た蝶が生息しており、蝶を観察していると同定に迷うことが多くあります。このブログでは、よく似た蝶の違いや見分け方を解説しています。
この記事では、シルビアシジミとヤマトシジミの違い・見分け方を解説します。
シルビアシジミとヤマトシジミの違い・見分け方
シルビアシジミは見た目はヤマトシジミの非常に良く似ます。ここではシルビアシジミとヤマトシジミの違い・見分け方を解説します。
シルビアシジミ
シルビアシジミは外縁の斑点が目立つことと、後翅の裏面の3点が一直線ではなく折れ曲がることでヤマトシジミと見分けることが可能です。
ヤマトシジミ
ヤマトシジミは外縁の斑点がシルビアシジミほど目立たないことと、後翅の裏面の3点が一直線であることでシルビアシジミと見分けることが可能です。
シルビアシジミの紹介
分布 | 本州、四国、九州 |
生息環境 | 平地 |
発生回数 | 年4回程度 |
成虫が見られる時期 | 4月から11月頃 |
越冬の状態 | 幼虫で越冬 |
食草 | ミヤコグサ、シロツメクサなど |
亜種 | なし |
シルビアシジミは本州と四国、九州に生息しますが、生息地は極めて局地的で、個体数も多くないため、絶滅が危惧される蝶の1種です。成虫は4月頃から11月頃まで観察することができます。
幼虫の主な食草はミヤコグサですが、兵庫県に生息する個体はシロツメクサを食べます。ミヤコグサを食草とする個体は草地環境の悪化により全国的に減少していますが、シロツメクサを食草とする個体は安定して生息しています。
ヤマトシジミと見た目は非常に良く似ますが、ヤマトシジミは平地で一般的なのに対して、シルビアシジミは極めて局地的にしか生息しませんので、普段見られるのはヤマトシジミであることがほとんどです。
ヤマトシジミの紹介
分布 | 本州、四国、九州、沖縄 |
生息環境 | 平地 |
発生回数 | 年5~6回程度 |
成虫が見られる時期 | 4月から11月頃 |
越冬の状態 | 幼虫で越冬 |
食草 | カタバミなど |
亜種 | 本土亜種、南西諸島亜種 |
ヤマトシジミは現代の社会において、最も繁栄している種と言っても過言ではありません。都市部であっても、公園や民家に普通に生息していて、人間社会の中に上手く入り込んでいる蝶です。幼虫は雑草であるカタバミを食草とします。平地では普通に見られますが、山地ではあまり見られません。
北海道には生息しませんが、東北地方から沖縄まで広く分布しています。成虫は年に5~6回程度発生し、4月から11月頃と長い期間成虫が観察できます。
オスは翅の表面が青色に輝くのに対して、メスはグレーであることからオスとメスを見分けることができます。
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