4月頃になると空き地などのあちらこちらでカラスノエンドウを見かける機会が増えます。そのカラスノエンドウに大量に湧く虫がいます。それがソラマメヒゲナガアブラムシというアブラムシです。
この記事では、そんなソラマメヒゲナガアブラムシやアブラムシの名前の由来を解説します。
ソラマメヒゲナガアブラムシってどんな虫?
ソラマメヒゲナガアブラムシは漢字で書くと、”空豆髭長油虫”となります。名前の通り、マメ科の植物につく髭が長いアブラムシの仲間です。大きさは2~3mm程度と小さく、日本全域に生息しています。成虫は春から夏頃にかけて見られます。
このアブラムシはカラスノエンドウに集団で付いている光景をよく見かけます。集団で何をしているのでしょうか?
ソラマメヒゲナガアブラムシは翅があるの?
このアブラムシは、翅のある”有翅型(ゆうしがた)”と呼ばれる個体と、翅のない”無翅型(むしがた)”の個体がいます。
アブラムシは集団で蜜になって生活していますが、密度が高くなりすぎたり、エサの植物の状態が悪くなると有翅型のアブラムシが産まれます。この有翅型のアブラムシは、自由に飛んで他の植物へ移動することができます。それによりアブラムシはどんどんと繁殖していきます。
ソラマメヒゲナガアブラムシの食べ物は?
このアブラムシは、カラスノエンドウなどのマメ科の植物の汁をエサとしています。アブラムシは茎にストロー状の針を刺して汁を吸います。そのため、ソラマメヒゲナガアブラムシはカラスノエンドウにとって天敵と言えます。
ソラマメヒゲナガアブラムシの天敵は?
”アブラムシがいっぱいいる場所の近くでテントウムシを見かける機会が多いな”、と感じている人は多いと思います。それもそのはず、テントウムシはアブラムシの天敵です。テントウムシはアブラムシをエサとしています。
ですが、アブラムシもテントウムシに一方的にやられているわけではありません。アブラムシも防衛の対策をしています。アブラムシはお尻から蜜を出してアリを呼び寄せます。アリはテントウムシの天敵ですので、アリを使ってアブラムシの天敵であるテントウムシを追い払っているのです。自然は知れば知るほど面白いですよね!?
このように、アブラムシとアリはお互いが得をしていて、これを「共生(きょうせい)」と呼びます。
アブラムシの名前の由来は?
アブラムシはカメムシ目アブラムシ科に属する昆虫で、ソラマメヒゲナガアブラムシ以外にも多くの種類が生息しています。では、なぜ”アブラムシ”と呼ばれるようになったのでしょうか?”アブラムシ”の名前の由来を紹介します。
アブラムシの名前の由来は江戸時代に遡ります。当時、ハギという植物に付いているアブラムシを手ですりつぶして、それを髪の毛に塗ってテカテカに光らせる子供の遊びがあったことから、”アブラムシ”という名前が付けられたと言われています。
ちなみに、関西方面ではゴキブリのことをアブラムシと呼んでいる地域もあります。
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