アゲハチョウの幼虫のエサは?キャベツは食べる?
アゲハチョウの幼虫のエサ(食草)を途中で変えても食べてくれるかな?
この記事ではこれらの疑問について解説します。
アゲハ蝶の幼虫が食べる葉っぱ
まず1点目の、「アゲハチョウの幼虫のエサ」について、アゲハチョウの幼虫はミカン科の植物の葉っぱを食べます。例えば、ミカンやカラタチ、ヘンルーダ、サンショウなどです。モンシロチョウの幼虫がキャベツを食べるので、”蝶の幼虫はキャベツを食べる”と思い込んでいる人もいますが、アゲハチョウの幼虫はキャベツは食べません。
また、同じアゲハ蝶の仲間でも、キアゲハという蝶はパセリなどのセリ科の植物を食べます。
種類 | 幼虫のエサ |
アゲハチョウ(ナミアゲハ) | ミカン科の植物(ミカンやヘンルーダ、カラタチなど) |
クロアゲハ | ミカン科の植物(ミカンやヘンルーダ、カラタチなど) |
カラスアゲハ | ミカン科の植物(サンショウやヘンルーダなど) |
キアゲハ | セリ科の植物(パセリなど) |
次に2点目の「エサを途中で変えても食べてくれるか」という疑問について解説します。
蝶の幼虫を飼育していると、思ってたよりも幼虫が葉っぱを多く食べて無くなってしまい、途中で食草が無くなってしまった、、、という事態に陥ることがあります。実際に私も、庭のカラタチに大量の幼虫が産まれて、葉っぱが全て無くなってしまった経験があります。
そういった場合は、別の食草を与えなければいけなくなりますが、途中で食草を変えるのは大きなリスクを伴います。以下では、途中で食草を変更した場合にどうなるか、実例を交えて解説します。
【食草変更実例①】5齢(終齢)幼虫:ヘンルーダからカラタチに変更:失敗
ヘンルーダで終齢幼虫まで育った個体を採取し、カラタチで育ててみることにしました。数日間、室内飼育で虫かごにカラタチと幼虫を入れて様子を見ます。終齢幼虫ですので、本来は多くの葉っぱを食べるはずです。
カラタチを与えた直後に、カラタチの葉っぱを食べ始めたので安心しましたが、すぐに食べるのをやめてしまいました。その後2日程度様子を見ましたが、はやり少し食べてはすぐにやめてしまう、という行動を繰り返しました。
終齢幼虫は日に日に大きくなるのが普通ですが、この個体はほとんど大きさが変わりません。また、糞も通常と比べるととても少ないです。
これ以上カラタチで飼育すると、衰弱して死んでしまう恐れを感じたため、以前の食草であるヘンルーダに戻しました。その後はヘンルーダを順調の食べました。
【食草変更事例②】5齢(終齢)幼虫:ヘンルーダからカラタチに変更:失敗
上の事例①と同様に、ヘンルーダで終齢幼虫まで育ったアゲハチョウの幼虫の食草をカラタチに変更しました。
その結果、カラタチを食べることなく数日が経過し、小さい幼虫のまま蛹となりました。食草の変更に適応することはできませんでした。
蛹になった9日後に羽化して、綺麗な成虫になりました。ですが、幼虫の時に食草を十分に食べられなかった影響か、普通の夏型の成虫と比べると小さく、春型サイズのアゲハチョウが産まれました。
【食草変更実例③】4齢幼虫:ヘンルーダからカラタチに変更:失敗
ヘンルーダで4齢幼虫まで育ったアゲハチョウの幼虫を採取し、カラタチで飼育してみることにしました。数日間、室内飼育で虫かごにカラタチと幼虫を入れて様子を見ます。
虫かごに入れた直後から、全くカラタチを食べる気配がありません。カラタチには全く興味を示さず、カラタチから離れていってしまいます。その後2日程度様子を見ましたが、カラタチを食べた様子は見られませんでした。
これ以上カラタチで飼育すると、衰弱して死んでしまう恐れを感じたため、以前の食草であるヘンルーダに戻しました。
【食草変更実例④】3齢幼虫:カラタチからヘンルーダに変更:成功
カラタチで3齢幼虫まで育った幼虫を採取し、ヘンルーダで育てることにしました。
ヘンルーダに変更した直後からヘンルーダを食べ始めたので安心しましたが、その後はウロウロするだけでなかなかヘンルーダを食べようとはしません。
ですが、数日すると、ヘンルーダを食べるようになりました。順調に成長を続けて、無事に4齢幼虫になることができました。
【結論】食草の変更は可能なのか?
この記事では、実際に食草を変更した事例をもとに、変更しても幼虫は育つのかを解説しています。
上の事例から以下のことがわかります。
アゲハチョウの幼虫は途中で食草を変えると食べない可能性が十分ある。
一方で、まだ事例が少ないので、今後はさらに事例を積み重ねて結論を導きたいと考えています。
【番外編】キアゲハの食草の変更
食草の実験をしていて驚いたことがありました。それは、キアゲハの幼虫がヘンルーダやカラタチといったミカン科の植物を食べたことです。
キアゲハの幼虫は、パセリやニンジンなどのセリ科の植物を食べます。図鑑にもそう書いてあり、ミカン科の植物を食草とする記載はどこにも見当たりません。今回、アゲハチョウの幼虫とキアゲハの幼虫を同じ飼育ケースで飼育していたため、この様な発見がありました。
なお、ネットで調べると、ミカン科の植物を食べるが成長速度が遅くなるという記載を見つけたので、その後はパセリでの飼育に戻しました。
まとめ
蝶の幼虫の生態は種類によって様々であり、食草を変えても問題の無い種類もいれば、食草を変えると食べずに衰弱してしまう種もあります。今回のアゲハチョウの事例では、食草を変更して、ちゃんと成長する個体と、成長しない個体があることがわかりました。
食草を食べずに死んでしまうリスクを無くすため、基本的には食草は途中で変更しないようにするのが無難です。
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